P-Fスタディを用いた診断閾下の自閉スペクトラム症を有する青年・成人のアセスメント

本研究では, P-Fスタディを用いて, 併存疾患の背景に存在する診断閾下の自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder : ASD) のアセスメント可能性について検討した. P-Fスタディの量的分析の結果, 閾下ASD群は非ASD臨床群に比して評定不能のU反応が多く認められた. 質的分析では, 閾下ASD群のU反応において, 「対処困難」 「状況承認」 「自己本位」 「状況誤認」 の4つの特徴が, 全24場面に対する回答内容において, 「過度な他責」 「共感に乏しい自己主張」 「状況に不適当な発言」 「違和感のある語用」 の4つの特徴が認められた. また, 閾下ASD...

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Veröffentlicht in:心身医学 2021, Vol.61(1), pp.64-74
Hauptverfasser: 西藤, 奈菜子, 川端, 康雄, 若林, 暁子, 吉川, 真衣, 金沢, 徹文, 寺嶋, 繁典, 米田, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, P-Fスタディを用いて, 併存疾患の背景に存在する診断閾下の自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder : ASD) のアセスメント可能性について検討した. P-Fスタディの量的分析の結果, 閾下ASD群は非ASD臨床群に比して評定不能のU反応が多く認められた. 質的分析では, 閾下ASD群のU反応において, 「対処困難」 「状況承認」 「自己本位」 「状況誤認」 の4つの特徴が, 全24場面に対する回答内容において, 「過度な他責」 「共感に乏しい自己主張」 「状況に不適当な発言」 「違和感のある語用」 の4つの特徴が認められた. また, 閾下ASD群は非ASD臨床群に比して, U反応の 「状況誤認」, 回答内容の 「状況に不適当な発言」 「違和感のある語用」 が多く認められた. P-Fスタディには, 診断閾下のASD者が有する一見しただけでは表面化しにくい対人交流の課題が反映されやすい可能性があり, 二次的な症状の背景にある診断閾下のASDの把握に有用であると考えられる.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.61.1_64