双極性障害の診断と薬物治療
双極性障害は, うつ症状で発症することが多く, 初発時に単極性うつ病と鑑別することは容易ではない. しかし, その治療は後者では抗うつ薬が使われるのに対し, 前者では気分安定薬が用いられ, 抗うつ薬の併用は無効なばかりか, 気分変動を不安定化する. 双極性うつ病と単極性うつ病を鑑別する際に, Ghaemiが提唱した双極スペクトラム障害の概念は有用である. 特に双極性障害の家族歴や抗うつ薬によって惹起される軽躁・躁症状がある場合には, 発揚性パーソナリティ, 若年発症, 反復性の大うつ病エピソード, 短い大うつ病エピソード, 非定型うつ症状, 精神病性うつ病, 産後うつ病, 抗うつ薬の効果減弱,...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2020, Vol.60(8), pp.707-712 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 双極性障害は, うつ症状で発症することが多く, 初発時に単極性うつ病と鑑別することは容易ではない. しかし, その治療は後者では抗うつ薬が使われるのに対し, 前者では気分安定薬が用いられ, 抗うつ薬の併用は無効なばかりか, 気分変動を不安定化する. 双極性うつ病と単極性うつ病を鑑別する際に, Ghaemiが提唱した双極スペクトラム障害の概念は有用である. 特に双極性障害の家族歴や抗うつ薬によって惹起される軽躁・躁症状がある場合には, 発揚性パーソナリティ, 若年発症, 反復性の大うつ病エピソード, 短い大うつ病エピソード, 非定型うつ症状, 精神病性うつ病, 産後うつ病, 抗うつ薬の効果減弱, 抗うつ薬治療への非反応などの双極性障害を示唆する徴候 (bipolarity) を注意深くとらえることで, 潜在する双極性障害を見つけ出すことが可能になる. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.60.8_707 |