当分野におけるいわゆる歯科心身症に対する心身医学的アプローチについて

歯科領域では, 原因不明で難治性の口腔・顔面領域の慢性疼痛や違和感などの, Medically Unexplained Oral symptoms/syndromes (MUOS) が増加し, 心身医学的アプローチの重要性はますます高まっている. このような患者を歯科と精神科で診ていこうとする, いわゆるリエゾン診療の限界も明らかとなり, 当分野においては臨床, 教育, 研究が一体となるように努めながら歯科特有の心身医学の体系を追求している.臨床においては, 各科の専門医との適切な連携を踏まえて, 効果のない歯科処置を避けつつ, 医療機関にて 「気のせい」 と敬遠されてきた患者や家族の苦痛に寄...

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Veröffentlicht in:心身医学 2018, Vol.58(2), pp.133-140
Hauptverfasser: 竹之下, 美穂, 篠原, 優貴子, 三浦, 杏奈, 美久月, 瑠宇, 川﨑, カオル, 菅原, 詩織, Trang, Tu Thi Huyen, 須賀, 隆行, 渡邊, 毅, 豊福, 明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯科領域では, 原因不明で難治性の口腔・顔面領域の慢性疼痛や違和感などの, Medically Unexplained Oral symptoms/syndromes (MUOS) が増加し, 心身医学的アプローチの重要性はますます高まっている. このような患者を歯科と精神科で診ていこうとする, いわゆるリエゾン診療の限界も明らかとなり, 当分野においては臨床, 教育, 研究が一体となるように努めながら歯科特有の心身医学の体系を追求している.臨床においては, 各科の専門医との適切な連携を踏まえて, 効果のない歯科処置を避けつつ, 医療機関にて 「気のせい」 と敬遠されてきた患者や家族の苦痛に寄り添えるような丁寧な診察を心掛けている. 必要最小限の向精神薬を用い, 生活リズムの改善などの療養指導を併用して効果を上げている.教育においては, MAPSOフォーマットを導入し, 座学より実習を重視した卒前・卒後教育に力を入れている. 研究においては, 豊富な臨床例から得られたデータを活かし, 歯科心身症の病態の本質に迫り, 臨床現場に還元できるような研究を志向している.本稿では, 具体的な症例を中心に当科におけるMUOSに対する心身医学的な取り組みを紹介した.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.58.2_133