心因性発熱16症例の検討

目的 : 心理社会的ストレスはさまざまな身体症状を発生させるが, 発熱もその一つである. 発熱は重篤な疾患のサインと認識され, 親子は混乱し周囲は対応に苦慮する. 本研究の目的は, 心因性発熱患児の特徴と対応を明らかにすることである.  方法 : 対象は岡山大学病院子どものこころ診療部で加療した16例. 後方視的に, 発症の契機, 併存症, 治療経過, 転帰などを検討した.  結果 : 男性4例, 女性12例. 平均年齢12.2±1.8歳 (中央値13歳). 不登校を13例に認め, ネグレクトなどの虐待症例も3例認めた. 発達障害や起立性調節障害 (OD) が併存していた. 平均治療期間は28...

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Veröffentlicht in:心身医学 2017, Vol.57(12), pp.1252-1260
Hauptverfasser: 岡田, あゆみ, 藤井, 智香子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的 : 心理社会的ストレスはさまざまな身体症状を発生させるが, 発熱もその一つである. 発熱は重篤な疾患のサインと認識され, 親子は混乱し周囲は対応に苦慮する. 本研究の目的は, 心因性発熱患児の特徴と対応を明らかにすることである.  方法 : 対象は岡山大学病院子どものこころ診療部で加療した16例. 後方視的に, 発症の契機, 併存症, 治療経過, 転帰などを検討した.  結果 : 男性4例, 女性12例. 平均年齢12.2±1.8歳 (中央値13歳). 不登校を13例に認め, ネグレクトなどの虐待症例も3例認めた. 発達障害や起立性調節障害 (OD) が併存していた. 平均治療期間は28.9カ月 (中央値 : 22.5カ月), 転帰は, 治癒9例, 改善1例, 不変2例, 中断1例, 転医3例であった.  結論 : 心因性発熱の背景にはさまざまな心理社会的要因があり, 環境調整と体調に合わせた活動を行うことが重要であった. 発達障害のため学習困難となるなど, 契機が明らかな場合は環境調整で改善したが, 誘因が不明確な場合は, 心身両面の成長が必要で治療は長期にわたった.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.57.12_1252