脳内コルチコトロピン放出因子産生ニューロンの構造と機能の解明: 新たな実験動物を用いた検討

視床下部室傍核 (PVH) に存在するコルチコトロピン放出因子 (CRF) ニューロンは内分泌性ストレス応答を制御する中枢であるが, 脳内にはPVH以外にもCRFニューロンが広範に存在し, さまざまな生理作用への関与が示唆されている. 最近われわれは相同組み換えによりVenus (強化型黄色蛍光タンパク質) またはiCreをCRF遺伝子座に挿入したマウス (CRF-Venus, CRF-iCre, およびCRF-VenusΔNeo) を開発した. これらのマウスはCRFニューロンを蛍光可視化し生理実験を行うために用いられているが, マウス脳内CRFニューロンの形態と分布を明らかにするためにも有...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2017, Vol.57(9), pp.903-909
1. Verfasser: 井樋, 慶一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:視床下部室傍核 (PVH) に存在するコルチコトロピン放出因子 (CRF) ニューロンは内分泌性ストレス応答を制御する中枢であるが, 脳内にはPVH以外にもCRFニューロンが広範に存在し, さまざまな生理作用への関与が示唆されている. 最近われわれは相同組み換えによりVenus (強化型黄色蛍光タンパク質) またはiCreをCRF遺伝子座に挿入したマウス (CRF-Venus, CRF-iCre, およびCRF-VenusΔNeo) を開発した. これらのマウスはCRFニューロンを蛍光可視化し生理実験を行うために用いられているが, マウス脳内CRFニューロンの形態と分布を明らかにするためにも有用であった. 今後脳内CRFニューロンの機能を解明するためにこれらのマウスが活用され, ストレス応答メカニズムの解明やストレス関連疾患の予防法・治療法の開発への貢献が期待される.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.57.9_903