摂食障害患者への心療内科病棟での看護師のかかわり

摂食障害患者は, その疾患の特徴上, 治療中に治療からの回避や行動化が認められることがある. 具体的にはスタッフの対応への不満の表出, 会話拒否, 操作性のある言動, 離院などである. 当科では摂食障害患者への看護師の効果的なかかわりのため, 以下の研鑽を重ねている. ①患者対応をまとめたマニュアルの作成, ②疾患の理解を深めるため医師のレクチャーに参加, ③病棟で自己学習会を開催. 加えて, ④チーム医療実践のために週に1回摂食障害患者に特化した多職種での合同カンファレンスを実施. この合同カンファレンスでは, 主治医, 看護師, 病棟薬剤師, 管理栄養士が参加して, それぞれの立場から意見...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2017, Vol.57(4), pp.368-375
Hauptverfasser: 松原, 栄子, 河合, 啓介, 上, 久美子, 黒木, 絵里, 田﨑, 朋子, 山下, 真, 髙倉, 修, 菊武, 惠子, 貴船, 美保, 須藤, 信行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:摂食障害患者は, その疾患の特徴上, 治療中に治療からの回避や行動化が認められることがある. 具体的にはスタッフの対応への不満の表出, 会話拒否, 操作性のある言動, 離院などである. 当科では摂食障害患者への看護師の効果的なかかわりのため, 以下の研鑽を重ねている. ①患者対応をまとめたマニュアルの作成, ②疾患の理解を深めるため医師のレクチャーに参加, ③病棟で自己学習会を開催. 加えて, ④チーム医療実践のために週に1回摂食障害患者に特化した多職種での合同カンファレンスを実施. この合同カンファレンスでは, 主治医, 看護師, 病棟薬剤師, 管理栄養士が参加して, それぞれの立場から意見交換を行う. 当科では神経性やせ症患者に対して 「行動制限を用いた認知行動療法」 という治療的枠組みを用いているが, その経過中に顕在化してきた心理的・社会的問題を病棟スタッフが共同で取り扱っている. 看護師は細部の入院生活の環境をつくるという点で重要な役割を担っている. 本稿ではこれらの取り組みの実際について症例を交えて報告する.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.57.4_368