司会のことば

1980年代において神経性食思不振症は, 思春期女性に特有の病態としてとらえられ, 思春期やせ症と呼ばれていた. しかし近年, 摂食障害は思春期から青年期の若い女性だけでなく前思春期の児童から働く女性, さらには既婚女性と広がりをみせて増加している. そして病態も低体重から肥満, 拒食や過食, 嘔吐などの中核的症状に加えて, 発達障害, 気分障害, 不安障害, パーソナリティ障害などの併存も多く, 多種多様化している. 治療的には, 心理教育のみで軽快していくものから, 重篤な身体合併症と精神病理を呈して治療に難渋するもの, さらに摂食障害に引きこもる治療抵抗性ものまでさまざまである....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2014-10, Vol.54 (10), p.915-915
Hauptverfasser: 切池信夫, 小野和哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1980年代において神経性食思不振症は, 思春期女性に特有の病態としてとらえられ, 思春期やせ症と呼ばれていた. しかし近年, 摂食障害は思春期から青年期の若い女性だけでなく前思春期の児童から働く女性, さらには既婚女性と広がりをみせて増加している. そして病態も低体重から肥満, 拒食や過食, 嘔吐などの中核的症状に加えて, 発達障害, 気分障害, 不安障害, パーソナリティ障害などの併存も多く, 多種多様化している. 治療的には, 心理教育のみで軽快していくものから, 重篤な身体合併症と精神病理を呈して治療に難渋するもの, さらに摂食障害に引きこもる治療抵抗性ものまでさまざまである.
ISSN:0385-0307