緩和ケアに求められるもの : チームとしてのあり方(緩和ケアにおいて心身医学はどのような貢献ができるか?,2011年,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))

患者は,がんに罹患すると,仕事・家庭など日常のさまざまな場面で影響を受ける.心理社会的な問題への理解や介入は,本人のQOL向上に重要な役割を果たすことが指摘されている.このような背景から,緩和ケアの必要性は増しているが,緩和ケアチームに求められていることと,緩和ケアチームが提供できることに乖離が生じていると感じることも少なくない.東邦大学医療センター大森病院で行ったアンケートによれば,緩和ケアチームへの依頼件数は増加傾向にあるものの,緩和ケアへの理解やチームの活動内容の認知度はまだまだ十分とはいえないことが明らかとなった.この問題を解決するためには,緩和ケアの知識の共有や他職種への理解,緩和ケ...

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Veröffentlicht in:心身医学 2012/07/01, Vol.52(7), pp.604-610
Hauptverfasser: 小田原, 幸, 端詰, 勝敬, 天野, 雄一, 坪井, 康次
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:患者は,がんに罹患すると,仕事・家庭など日常のさまざまな場面で影響を受ける.心理社会的な問題への理解や介入は,本人のQOL向上に重要な役割を果たすことが指摘されている.このような背景から,緩和ケアの必要性は増しているが,緩和ケアチームに求められていることと,緩和ケアチームが提供できることに乖離が生じていると感じることも少なくない.東邦大学医療センター大森病院で行ったアンケートによれば,緩和ケアチームへの依頼件数は増加傾向にあるものの,緩和ケアへの理解やチームの活動内容の認知度はまだまだ十分とはいえないことが明らかとなった.この問題を解決するためには,緩和ケアの知識の共有や他職種への理解,緩和ケアチームの広報活動などが必要と思われた.加えて,患者の苦痛を緩和するうえで,担当医や病棟看護師との連携は不可欠であり,緩和ケアチームのチーム構成の充実化も課題といえよう.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.52.7_604