15. 子どもと家族が治っていくのに立ち会うということ(一般演題,第48回日本心身医学会近畿地方会演題抄録)
「はじめに」:心身医学的な問題に対して演者は以前から回復過程に焦点を当てる対応を続けていたが, 解決志向に出会いそのリソース(回復の素になる力, 医学的には自己治癒力)を重視する方法論がそれまでの演者の方法論と重なることに気づいた. 同様な方法論である東洋医学を利用することも多い. 因果関係に縛られない点でユング心理学をはじめとする最近の心理療法にも共通している. 小児科ではまだまだ心因との因果関係を主とした報告が多いように思う. 「目的」:身体症状を訴えるが身体には異常がみつからず心理的な要因探しや対策を受けたが納得できないために演者の心療外来を受診する家族がある. 身体的には対症療法しかな...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2012/04/01, Vol.52(4), pp.340 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」:心身医学的な問題に対して演者は以前から回復過程に焦点を当てる対応を続けていたが, 解決志向に出会いそのリソース(回復の素になる力, 医学的には自己治癒力)を重視する方法論がそれまでの演者の方法論と重なることに気づいた. 同様な方法論である東洋医学を利用することも多い. 因果関係に縛られない点でユング心理学をはじめとする最近の心理療法にも共通している. 小児科ではまだまだ心因との因果関係を主とした報告が多いように思う. 「目的」:身体症状を訴えるが身体には異常がみつからず心理的な要因探しや対策を受けたが納得できないために演者の心療外来を受診する家族がある. 身体的には対症療法しかなく心理的な援助にも明確な反応がない場合, いかに付き合っていくかが課題になる. その場合, 回復過程を信じて動揺せずに経過に立ち会っていくことが本人の自己治癒力を強め, 家族の支える力を助けて二次的な混乱からの身体症状の悪化を防ぐことができたと思える症例を報告する. 「症例1」:初診時13歳女児, 全身倦怠・睡眠異常が続き登校は不連続であった. 睡眠障害として入院中は改善するも退院後は元通りになり定時制高校へ通った. 希望の大学に入学後はほぼ普通の大学生活を送っている. 「症例2」:初診時15歳男児. 易疲労感・睡眠異常のため登校が続かないと受診. 起立性調節障害として治療開始したが頑張ってはダウンを繰り返すのでうつ状態や躁鬱2型を考えて薬物も用いた. 高卒認定試験を受け大学に入学後は一転して通学している. 「症例3」:初診時12歳女児. 微熱・易疲労感・筋力低下で登校が続かず精査のために小児科入院後に心療外来を受診. 現在微熱・筋力低下はなくなったが不定期な登校である. 「結果」:精神科受診の場合と, 手を出さずに見守ることの苦手な小児科受診の場合との違い・治療要素に時間を組み込む必要性・受診が続くことの功罪について考察して皆様のご意見を頂戴したい. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.52.4_340_1 |