35 慢性に繰り返す原因不明の蕁麻疹
「はじめに」蕁麻疹は, 皮膚のマスト細胞が何らかの機序により脱顆粒し, 皮膚組織内に放出されたヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用して血管拡張(紅斑), 血漿成分の流出(膨疹)および痒みを生じる疾患であり, 症状の出現は一過性である1). マスト細胞活性化の機序としてI型アレルギーが知られており, 近年は小麦粉を含む食品を摂取したのち運動することによって発症する食物摂取後運動負荷蕁麻疹などが話題になっているが, 実際には物理刺激や薬剤, 運動, 体温の変化によるもの, 特に誘因なく発症するもの(特発性蕁麻疹)などのほうが多い. 特発性蕁麻疹の原因として感染, 食物,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 心身医学 2011, Vol.51 (12), p.1133-1139 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」蕁麻疹は, 皮膚のマスト細胞が何らかの機序により脱顆粒し, 皮膚組織内に放出されたヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用して血管拡張(紅斑), 血漿成分の流出(膨疹)および痒みを生じる疾患であり, 症状の出現は一過性である1). マスト細胞活性化の機序としてI型アレルギーが知られており, 近年は小麦粉を含む食品を摂取したのち運動することによって発症する食物摂取後運動負荷蕁麻疹などが話題になっているが, 実際には物理刺激や薬剤, 運動, 体温の変化によるもの, 特に誘因なく発症するもの(特発性蕁麻疹)などのほうが多い. 特発性蕁麻疹の原因として感染, 食物, 疲労, ストレス, IgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己免疫などが挙げられている. 発症して1ヵ月以内のものを急性蕁麻疹, 1ヵ月以上経過したものを慢性蕁麻疹とよぶ. 後者はほとんど毎日, 夕方から夜間にかけて症状が出現, 悪化するものが多く, 上記の自己抗体が検出されることがあるといわれるも, 多くは原因を特定できない. |
---|---|
ISSN: | 0385-0307 |