11.焦燥感の制御,洞察,身体化の経過をみた事例 : 洞察の時期を治療的に操作すること(一般演題,第47回日本心身医学会近畿地方会演題抄録)

抑うつ状態を伴う職場不適応で休職や離職に至るケースは, 本人の自覚していない過剰適応によることが多い. 本論では, 離職に伴う焦燥感によって行動抑制できずに来談した40代後半の女性の事例を紹介し, 考察する. このような事例の場合, 休養ベースでの再適応が目標となるが, 本事例では, 焦燥感から話し続ける本人との面接において, まず話題を選択的に扱うことで, 行動抑制ができることを目標とした. その後, 子ども時代の話を促すことで, 自らを振り返る形の面接を行った. その結果, 本人自身が自らの適応のガイドラインを洞察し, 身体症状を呈した後に軽快した. このように, 不適応の経過について,...

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Veröffentlicht in:心身医学 2011/10/01, Vol.51(10), pp.941
Hauptverfasser: 赤津, 玲子, 吉川, 悟
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:抑うつ状態を伴う職場不適応で休職や離職に至るケースは, 本人の自覚していない過剰適応によることが多い. 本論では, 離職に伴う焦燥感によって行動抑制できずに来談した40代後半の女性の事例を紹介し, 考察する. このような事例の場合, 休養ベースでの再適応が目標となるが, 本事例では, 焦燥感から話し続ける本人との面接において, まず話題を選択的に扱うことで, 行動抑制ができることを目標とした. その後, 子ども時代の話を促すことで, 自らを振り返る形の面接を行った. その結果, 本人自身が自らの適応のガイドラインを洞察し, 身体症状を呈した後に軽快した. このように, 不適応の経過について, 一時的な反応性か神経症様の背景があるかで適切にアセスメントし, 治療プログラムを構成することが必要と考えられる.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.51.10_941_3