心療内科と心理療法

九州大学心療内科における臨床心理士としての約10年は, 他に代え難い臨床経験となり今に至っている. そこでは薬物治療だけでなく, 心理療法を積極的に取り入れた心身医学的アプローチを果敢に試みる多くの医師たちと仕事ができた. 大学病院では若い医師が入院患者の主治医になることもある. 心療内科医としての経験が浅い医師たちが, 時に困難なケースを治療し回復させる場面にも数多く遭遇した. 「一般医の治療の上手下手は, 医学や医療に関する知識と医療実践の経験で歴然と差がつく」と聞いた. その意味で経験豊かな医師と新人医師では明らかな差があるはずなのだが, 「心療内科医による治療は, 新人医師とベテラン医...

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Veröffentlicht in:心身医学 2011/04/01, Vol.51(4), pp.295
1. Verfasser: 松岡, 洋一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:九州大学心療内科における臨床心理士としての約10年は, 他に代え難い臨床経験となり今に至っている. そこでは薬物治療だけでなく, 心理療法を積極的に取り入れた心身医学的アプローチを果敢に試みる多くの医師たちと仕事ができた. 大学病院では若い医師が入院患者の主治医になることもある. 心療内科医としての経験が浅い医師たちが, 時に困難なケースを治療し回復させる場面にも数多く遭遇した. 「一般医の治療の上手下手は, 医学や医療に関する知識と医療実践の経験で歴然と差がつく」と聞いた. その意味で経験豊かな医師と新人医師では明らかな差があるはずなのだが, 「心療内科医による治療は, 新人医師とベテラン医師というだけでは差がつかないこともある」という. これを科学し, 体系化し, 治療法として確立しようという気運に満ちていた中で仕事ができたことを今でも誇りに思っている. 臨床心理士が行う心理療法にも同じことがいえる.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.51.4_295