11.当科で診断された器質的疾患の症例(一般演題,第64回日本心身医学会東北地方会演題抄録)
東北大学病院心療内科を受診する患者は, 摂食障害, 適応障害, うつ病, 不安障害, 身体表現性障害, 機能性胃腸障害などの疾患が主であるが, 時に, 経過中, 重大な器質的疾患が発見されることがある. そこで, 東北大学病院心療内科に紹介されて間もなく, それぞれ中枢性尿崩症およびACTH単独欠損症と診断された2症例を報告した. 「症例1」: 70代, 女性. 「主訴」: 口渇感, 食欲不振, 全身倦怠感, 不眠, 不安感. 「現病歴」: 2匹の介助犬の世話を自宅で引き受けた頃から, 上記症状が出現. 1ヵ月後, かかりつけ医を経て, 総合病院を受診したが, 検査上異常は指摘されなかった....
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2010/11/01, Vol.50(11), pp.1097 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 東北大学病院心療内科を受診する患者は, 摂食障害, 適応障害, うつ病, 不安障害, 身体表現性障害, 機能性胃腸障害などの疾患が主であるが, 時に, 経過中, 重大な器質的疾患が発見されることがある. そこで, 東北大学病院心療内科に紹介されて間もなく, それぞれ中枢性尿崩症およびACTH単独欠損症と診断された2症例を報告した. 「症例1」: 70代, 女性. 「主訴」: 口渇感, 食欲不振, 全身倦怠感, 不眠, 不安感. 「現病歴」: 2匹の介助犬の世話を自宅で引き受けた頃から, 上記症状が出現. 1ヵ月後, かかりつけ医を経て, 総合病院を受診したが, 検査上異常は指摘されなかった. 原因不明の症状が持続するため, その2ヵ月後, うつ病を疑われ, 開業心療内科を紹介された. 翌日, うつ状態の診断でさらに東北大学病院心療内科を紹介された. 外来での血液検査ではNaが150mEq/であった. Na値はいったん正常化したが,1ヵ月後再び高Na血症を示したため, ただちに東北大学病院に入院となった. 「症例2」: 50代, 男性. 「主訴」: 食欲不振, 吐き気, 嘔吐, 体重減少, 全身倦怠感. 「現病歴」: 出稼ぎ先で食欲不振, 吐き気などの症状が出現し, 実家へ帰省. 実家近くの内科医院で血液検査, 胃内視鏡などを施行されたが, 異常がみられないため, 1ヵ月後, 総合病院に入院した. 入院中の検査でも症状の原因は不明であった. 食欲不振のため, 3ヵ月間で体重は10kg以上減少した. その後も複数の医療機関で検査を受けたが, 不調の原因はわからず, 発症から半年後, 東北大学病院心療内科を紹介され, 入院した. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.50.11_1097_2 |