大規模感染症(新型インフルエンザA:H1N1)への対応が医療従事者に与える心理的影響
「はじめに」2009年5月16日, 日本で初めてとなる新型インフルエンザA:H1N1(以下, flu)の最初の3例の感染が, 神戸市で確認された. 指定医療機関である当院は, その報とともに病院幹部が緊急招集され, 救急病棟閉鎖, flu対策病棟開設, 発熱外来設置と迅速に対応し, すみやかに患者を受け入れた. スタッフは多忙を極め, 5月20日15時時点で, 発熱外来受診者数178例, 入院患者数は延べ18例に達して1), 続々と来院する患者の診療に, 職員一丸となって取り組んだ. これまで経験したことのない感染症にかかわったスタッフは, 情報や方針が刻一刻と変化する中で最善を尽くしながらも...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2010, Vol.50 (10), p.969-972 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」2009年5月16日, 日本で初めてとなる新型インフルエンザA:H1N1(以下, flu)の最初の3例の感染が, 神戸市で確認された. 指定医療機関である当院は, その報とともに病院幹部が緊急招集され, 救急病棟閉鎖, flu対策病棟開設, 発熱外来設置と迅速に対応し, すみやかに患者を受け入れた. スタッフは多忙を極め, 5月20日15時時点で, 発熱外来受診者数178例, 入院患者数は延べ18例に達して1), 続々と来院する患者の診療に, 職員一丸となって取り組んだ. これまで経験したことのない感染症にかかわったスタッフは, 情報や方針が刻一刻と変化する中で最善を尽くしながらも, 強いストレッサーや緊張にさらされた. 援助者のストレスについては, バーンアウトや, 二次的外傷性ストレスなどの概念を中心に報告されてきた2). しかし, 大規模感染症流行によって医療従事者が受けるストレスや心理的影響に関する報告はいまだ少なく, 海外におけるflu発生を想定した調査3)~6)や重症急性呼吸器症候群(SARS)の調査7)8)がみられるのみで, はっきりしていないことも多い. |
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ISSN: | 0385-0307 |