II-5.薬剤治療困難な喘息の回復を導いた心身総合的治療要素 : 心療内科10年間の通院の成果(一般演題,第112回日本心身医学会関東地方会演題抄録)
「症例」:50代, 女性医師, 通年性・混合型喘息. 「既往歴」:接触性皮膚過敏症. 32歳, アレルギー性鼻炎手術. 「現病歴」:20歳代より運動誘発性喘息で発症. 30歳代重症化. 朝方, 週4~5回突発性大発作を繰り返すも受診不能のため1年間以上自己対処を続けた. 30歳代後半, 感冒罹患後重積を繰り返しながらも, 仕事と育児を続けた. 生活習慣修正で軽症化し, 39歳より, アレルギー科通院開始. 吸入ステロイド常用量連用2カ月目, 関節症状と喘息症状悪化の副作用が判明. テオフィリンが緊張症状や便秘, 喘息の増悪要因になるなど, 薬剤治療に難渋した. 「治療経過」:32歳, 39歳時...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2010/03/01, Vol.50(3), pp.249 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「症例」:50代, 女性医師, 通年性・混合型喘息. 「既往歴」:接触性皮膚過敏症. 32歳, アレルギー性鼻炎手術. 「現病歴」:20歳代より運動誘発性喘息で発症. 30歳代重症化. 朝方, 週4~5回突発性大発作を繰り返すも受診不能のため1年間以上自己対処を続けた. 30歳代後半, 感冒罹患後重積を繰り返しながらも, 仕事と育児を続けた. 生活習慣修正で軽症化し, 39歳より, アレルギー科通院開始. 吸入ステロイド常用量連用2カ月目, 関節症状と喘息症状悪化の副作用が判明. テオフィリンが緊張症状や便秘, 喘息の増悪要因になるなど, 薬剤治療に難渋した. 「治療経過」:32歳, 39歳時心身相関に気づき, 自習をしていたが, 40歳代半ばより, 心療内科に通院して専門家の指導で自律訓練・交流分析・家族療法の体験学習を行った. 同時に, 病態の変動性と自律神経系・薬剤過剰反応性に対応させて, 薬剤量とタイミングを調整したところ病状の安定を得た. 振り返って回復に決定的であった治療要素を推定した. a)研修の一日の過ごし方:[学びとくつろぎ][運動と充実][良い眠り]の効果で副作用をきたした抗炎症薬を一晩休薬し, 病状を緩和した. b)テオフィリン少量間欠投与:2003年2月入院中に再開し, 減量し間欠投与によって, 抗炎症薬の省量化を実現した. c)気道排泄系の調整:吸入ステロイド過量による悪影響性と副交感神経活動の利点を見出し, 薬の微量化に, リラックス法を重ねた. 「まとめ」:薬剤治療困難な喘息の回復を導いた心身総合的治療要素を推定して報告した. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.50.3_249_1 |