15.関係性の改善を優先することで不適応行動が改善した症例 : 「指導,対応,診断,そして相互不信」その責任は…(一般演題,第45回日本心身医学会近畿地方会演題抄録)
「適応しない生徒」への指導で学校と保護者との関係性が硬直化すると, 家族の疲弊, 身体化という問題が見過ごされる場合がある. 今回は家族の身体症状を配慮した症例を報告した. 症例:17歳, A子. A子の学内での不適応行動に対し, 学校が親を呼び出し高圧的に指導. A子の不適応行動も悪化. 両親は学校の指導で心療内科を受診, 異常なしとの診断に学校が難色を示し, 両親の不信感が増悪. 演者は母親に抑うつ状態などの症状がみられたため受診をすすめ, 主治医と連携を行った. また学校から『カウンセリングを優先して協力する』という配慮を得た. A子と別室担当, 担任との関係が改善され, 進路の決定・卒...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2010/01/01, Vol.50(1), pp.74-75 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「適応しない生徒」への指導で学校と保護者との関係性が硬直化すると, 家族の疲弊, 身体化という問題が見過ごされる場合がある. 今回は家族の身体症状を配慮した症例を報告した. 症例:17歳, A子. A子の学内での不適応行動に対し, 学校が親を呼び出し高圧的に指導. A子の不適応行動も悪化. 両親は学校の指導で心療内科を受診, 異常なしとの診断に学校が難色を示し, 両親の不信感が増悪. 演者は母親に抑うつ状態などの症状がみられたため受診をすすめ, 主治医と連携を行った. また学校から『カウンセリングを優先して協力する』という配慮を得た. A子と別室担当, 担任との関係が改善され, 進路の決定・卒業となった. 学校-保護者間で関係が悪化した場合は, まず『本人・家族の心身状態への配慮』に基づいた解決への認識を築くことが重要である. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.50.1_74_3 |