FDに対する漢方薬の効果と脳腸相関―セロトニン・グレリンの役割
「抄録」:従来, functional dyspepsia(FD)の病態において消化管の機能異常が重視されてきたが, 最近では脳-腸相関の関与が注目されている. 六君子湯はFDに対する臨床効果が最も確立している漢方薬であり, 特に食欲改善効果が顕著である. 胃で産生される摂食ホルモンであるグレリンは, 摂食調節に加えて, 消化管運動, 胃酸分泌にも関与することが示されており, 脳-胃相関において重要な役割を果たしている. そこで今回, ラットにcisplatin(CDDP)を投与して食欲不振モデルを作製し, 六君子湯の作用メカニズム, 特にグレリンに対する影響を検討した. その結果, CDDP...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2009, Vol.49 (7), p.807-813 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」:従来, functional dyspepsia(FD)の病態において消化管の機能異常が重視されてきたが, 最近では脳-腸相関の関与が注目されている. 六君子湯はFDに対する臨床効果が最も確立している漢方薬であり, 特に食欲改善効果が顕著である. 胃で産生される摂食ホルモンであるグレリンは, 摂食調節に加えて, 消化管運動, 胃酸分泌にも関与することが示されており, 脳-胃相関において重要な役割を果たしている. そこで今回, ラットにcisplatin(CDDP)を投与して食欲不振モデルを作製し, 六君子湯の作用メカニズム, 特にグレリンに対する影響を検討した. その結果, CDDPはおもにセロトニン5-HT2B受容体を刺激して血漿アシルグレリンおよび摂餌量を低下させること, 六君子湯は血漿アシルグレリンの増加を介してCDDPによる食欲不振を改善させ, その一部は六君子湯に含まれるフラボノイド類の5-HT2B受容体拮抗作用が関与していることを明らかにした. |
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ISSN: | 0385-0307 |