19.心理療法としての動作法の効用 : 強迫性障害へのアプローチから(一般演題,第43回日本心身医学会近畿地方会演題抄録)

症例:57歳, 男性(IP)に動作法を実施し早期の改善が得られた症例を報告. X-12年から, 刃物を見ると「怖い. 刺したらどうしょう」「舌を歯で噛むのではないか」など強迫観念が出現. 「考え方だけで安心感をてっとり早く得たい」との要望に, 演者(Th)は, 考えないようにと考えるほど悪循環に陥るので, 今ここでの体感覚に注意を向けることが有効と動作法を提案. 動作法を腰, 顔, 腕に実施後, 肩こりが大幅に緩和し強迫観念が消失. 最もおもしろかったことを諦め就職し, つらさを話さず頑張ってきたと語る. Thはねぎらい, IPも自身を大事にねぎらってあげてほしいとお願いし終了. 「不安に基づ...

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Veröffentlicht in:心身医学 2008/10/01, Vol.48(10), pp.904
Hauptverfasser: 長瀬, 信子, 吉川, 悟
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:57歳, 男性(IP)に動作法を実施し早期の改善が得られた症例を報告. X-12年から, 刃物を見ると「怖い. 刺したらどうしょう」「舌を歯で噛むのではないか」など強迫観念が出現. 「考え方だけで安心感をてっとり早く得たい」との要望に, 演者(Th)は, 考えないようにと考えるほど悪循環に陥るので, 今ここでの体感覚に注意を向けることが有効と動作法を提案. 動作法を腰, 顔, 腕に実施後, 肩こりが大幅に緩和し強迫観念が消失. 最もおもしろかったことを諦め就職し, つらさを話さず頑張ってきたと語る. Thはねぎらい, IPも自身を大事にねぎらってあげてほしいとお願いし終了. 「不安に基づく窮屈でこだわりの強い考え方感じ方」といえる強迫性障害の症状をもつ人は, その解決方法も自分なりの考え方で長年耐えてこられる場合が多い. 動作法は, 自分自身を否定されるという不安を解き, 新たなものを受け入れ, 適応可能にするので, とらわれのない行動ができるようになると考える.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.48.10_904_1