22.広汎性発達障害(PDD)に合併した統合失調症の入院治療 : 広汎性発達障害の特徴に対応して(第30回日本心身医学会中国・四国地方会演題抄録)

症例:27歳, 女性. 成長発達遅延なし. 完璧主義でおとなしい性格, 友人は少なかった. X-3年1月より命令幻聴・不眠・摂食不良あり, 同年4月, 精神科初診. 以後4回の入院歴がある. その後も幻聴・易怒性・感情易変性あり, X年6月当科入院. 入院後も幻聴が持続し, 統合失調症として加療を続けていた. しかし奇妙な言葉遊びを好むことやフラッシュバック様の訴えをすること, 保護治療室隔離後に情緒が著しく安定したことなどから, PDDを疑い母から詳細に生育歴を聴取した. その結果をもとに, 日本自閉症協会版広汎性発達障害評定尺度(PARS)にてスケーリングを行った結果, PDDに矛盾しなか...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2007/12/01, Vol.47(12), pp.1056-1057
Hauptverfasser: 山下, 幸記, 久郷, 亜希, 岡部, 伸幸, 黒田, 重利
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:27歳, 女性. 成長発達遅延なし. 完璧主義でおとなしい性格, 友人は少なかった. X-3年1月より命令幻聴・不眠・摂食不良あり, 同年4月, 精神科初診. 以後4回の入院歴がある. その後も幻聴・易怒性・感情易変性あり, X年6月当科入院. 入院後も幻聴が持続し, 統合失調症として加療を続けていた. しかし奇妙な言葉遊びを好むことやフラッシュバック様の訴えをすること, 保護治療室隔離後に情緒が著しく安定したことなどから, PDDを疑い母から詳細に生育歴を聴取した. その結果をもとに, 日本自閉症協会版広汎性発達障害評定尺度(PARS)にてスケーリングを行った結果, PDDに矛盾しなかった. PDDに統合失調症様症状がみられることはしばしば報告されているが, その症状がPDD由来か統合失調症由来かの判断は難しいことが多い. PDDを念頭に加療を開始していれば, スムーズに安定が得られる場面もあったと考えられる.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.47.12_1056_4