III-1. 身体表現性障害患者の自殺 : 救命救急センターに入院した自殺企図患者の診療経験から(一般演題,第106回日本心身医学会関東地方会演題抄録)

2004年10月1日から2005年9月30日までの一年間に当院の救命救急センターに入院した自殺企図患者は117例, このうち身体表現性障害と診断された患者は5例(鑑別不能型身体表現性障害3例, 疼痛性障害2例)であった. 平均年齢は58.2歳で, 全症例の平均年齢38.2歳よりかなり高齢の傾向が認められた. 全例で身体表現性障害が先行し, 自殺企図の時点では大うつ病エピソードを合併していた. 自殺企図手段に一定の傾向は認められなかったが, いずれも身体的損傷が重篤で危険性の高いものであった. これらの結果から, 原因が判明しない身体愁訴が自殺の原因となりうることを念頭に置き, このような患者が...

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Veröffentlicht in:心身医学 2007/09/01, Vol.47(9), pp.822
Hauptverfasser: 松木, 秀幸, 松木, 麻妃, 新井, 久美子, 岸, 泰宏, 堀川, 直史, 犬尾, 文昭, 黒澤, 亜希子, 小林, 清香
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:2004年10月1日から2005年9月30日までの一年間に当院の救命救急センターに入院した自殺企図患者は117例, このうち身体表現性障害と診断された患者は5例(鑑別不能型身体表現性障害3例, 疼痛性障害2例)であった. 平均年齢は58.2歳で, 全症例の平均年齢38.2歳よりかなり高齢の傾向が認められた. 全例で身体表現性障害が先行し, 自殺企図の時点では大うつ病エピソードを合併していた. 自殺企図手段に一定の傾向は認められなかったが, いずれも身体的損傷が重篤で危険性の高いものであった. これらの結果から, 原因が判明しない身体愁訴が自殺の原因となりうることを念頭に置き, このような患者がうつ病を発症した時にはより慎重な精神医学的介入が重要であると考えた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.47.9_822_1