14.クローン病から複雑痔瘻を呈し治療に難渋した統合失調症の1例(第29回日本心身医学会中国・四国地方会演題抄録,地方会抄録,学会報告)
症例:29歳, 男性. X-9年, 幻聴・被害関係妄想にて発症. 症状は一進一退であったが, X-3年からは外来通院にて安定経過していた. X年1月頃より, 頻回の下痢から, 精神・身体症状増悪し, X年4月にA病院に入院した. 同院で, 肛門周囲の複雑痔瘻を指摘され, 精査・加療目的で, 当院紹介となる. 当院外科に紹介し, 身体的治療として, 瘻孔部の安静保持, 低栄養状態回避のため, イレオストミーを行うこととした. 一方, 食事経口摂取は下痢を助長し, さらなる身体衰弱に拍車をかける結果となり, 術前の一定期間中, 絶飲食が必要となった. しかし, 精神状態不安定で食事・飲水衝動が激し...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2007/02/01, Vol.47(2), pp.144 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例:29歳, 男性. X-9年, 幻聴・被害関係妄想にて発症. 症状は一進一退であったが, X-3年からは外来通院にて安定経過していた. X年1月頃より, 頻回の下痢から, 精神・身体症状増悪し, X年4月にA病院に入院した. 同院で, 肛門周囲の複雑痔瘻を指摘され, 精査・加療目的で, 当院紹介となる. 当院外科に紹介し, 身体的治療として, 瘻孔部の安静保持, 低栄養状態回避のため, イレオストミーを行うこととした. 一方, 食事経口摂取は下痢を助長し, さらなる身体衰弱に拍車をかける結果となり, 術前の一定期間中, 絶飲食が必要となった. しかし, 精神状態不安定で食事・飲水衝動が激しく, 著しい不穏状態を呈した. さらに, 術後の病理検査でクローン病と診断され, 術後の絶食期間が長期にわたり, 術前同様の不隠を呈した. 最終的には, 術後の身体状態の改善に伴い, 精神症状も著明に改善し, クローン病に対しても一定の理解を示し, ストーマの自己管理も可能となった. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.47.2_144_2 |