がん患者への心理的サポートプログラム作成に向けての基礎的研究 : 患者の現状とニーズの把握

がん患者への心理的サポートプログラム開発に向けて,患者が抱える心理社会的諸問題に対する現状認識および心理的サポートへのニーズの把握を試みた.調査は一般全身状態が0〜2の患者を対象に行い,132名から回答を得た.現状認識とニーズの質問紙は独自に作成した.心理状態の評価として,SDS, STAI, SUBIを用いた.因子分析を行った結果,現状認識およびニーズともに7因子が抽出され,心理的サポートの必要性が強く示唆された.また,患者がすでにサポートグループを利用しているかどうかや患者の心理状態によって,現状認識・ニーズの各因子で得点に差が認められた.例えば,抑うつが低い場合には,"受容&q...

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Veröffentlicht in:心身医学 2007/02/01, Vol.47(2), pp.111-121
Hauptverfasser: 中村, 千珠, 河瀬, 雅紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:がん患者への心理的サポートプログラム開発に向けて,患者が抱える心理社会的諸問題に対する現状認識および心理的サポートへのニーズの把握を試みた.調査は一般全身状態が0〜2の患者を対象に行い,132名から回答を得た.現状認識とニーズの質問紙は独自に作成した.心理状態の評価として,SDS, STAI, SUBIを用いた.因子分析を行った結果,現状認識およびニーズともに7因子が抽出され,心理的サポートの必要性が強く示唆された.また,患者がすでにサポートグループを利用しているかどうかや患者の心理状態によって,現状認識・ニーズの各因子で得点に差が認められた.例えば,抑うつが低い場合には,"受容""自己価値""自立・協力"のニーズが高く,不安が低い場合には,"自己価値""家族""忍耐"のニーズが高いなどが認められた.以上から,集団で心理教育を実施する場合,患者の心理状態などによってその内容を修正する必要性が示唆された.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.47.2_111