5.一般病院における心療内科の現状 : 頻回受診をする不安障害患者の1例を通して(第103回日本心身医学会関東地方会演題抄録,地方会抄録,学会報告)
地域医療を掲げている一般民間病院において心療内科の臨床を行う場合, さまざまな制約があることを実感する. 専門外来のみを行っていくことは, 患者の年齢層, 医師数などを考慮すると困難であり, 外来では, 一般内科の急性および慢性疾患, 心療内科の患者が混在している中での診療が求められる. また患者も, 複数の医師に受診するため, 治療者側の方針変更に際して躊躇することがある. 演者は横浜市鶴見区にて心療内科, 一般内科を受け持っているが, 今回は地域医療を実践していくなかでの不自由さだけではなく, その利点も実感できる症例を経験したため, ここに報告した. 症例:80歳, 女性. 本態性高血圧...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2007/01/01, Vol.47(1), pp.50-51 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 地域医療を掲げている一般民間病院において心療内科の臨床を行う場合, さまざまな制約があることを実感する. 専門外来のみを行っていくことは, 患者の年齢層, 医師数などを考慮すると困難であり, 外来では, 一般内科の急性および慢性疾患, 心療内科の患者が混在している中での診療が求められる. また患者も, 複数の医師に受診するため, 治療者側の方針変更に際して躊躇することがある. 演者は横浜市鶴見区にて心療内科, 一般内科を受け持っているが, 今回は地域医療を実践していくなかでの不自由さだけではなく, その利点も実感できる症例を経験したため, ここに報告した. 症例:80歳, 女性. 本態性高血圧, 不定愁訴にて通院していた. 身体の不調を感じた際の血圧が高いとのことで, 救急車を要請し, 点滴を希望するという行動を繰り返していた. 徐々に救急車の使用頻度が増え, 近隣住民からの苦情も出てきたため, 主治医からだけではなく医療ソーシャルワーカー, 通所リハビリテーションなど他セクションとの連携を密にとり, 自宅までの送迎などさまざまな働きかけを行ったところ, 受診頻度も減少し, 救急車要請もなくなるに至った. 心療内科医として地域医療を実践していく中で, さまざまな制約があることも否めないが, 利点を生かすことにより, 治療的展開が得られることを経験した. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.47.1_50_4 |