19.過敏性腸症候群の漢方治療における胸腹証の変化(第28回 日本心身医学会中国・四国地方会演題抄録,地方会抄録,学会報告)
症例:39歳, 女性. X年12月頃から腹痛と下痢が頻回に生じるようになった. 漢方治療目的でX+1年5月, 当院を受診した. 腹証では, 心下の脾部を中心に中等度から高度の水滞と考えられる抵抗が認められた. 両側の鼠径部に高度の抵抗と圧痛が認められた. 膀胱部に高度の抵抗と圧痛が認められた. 胸部全体に高度な熱感が認められた. 下焦の湿熱とお血, 中焦の水滞, 上焦の熱を目標にして龍胆瀉肝湯(せんじ薬)を投与した. 投与2週後, 「下痢がとまり尿の回数がふえた」. 投与8週後, 「薬を飲み忘れると下痢になる」. 投与12週後, 「お腹の調子は良好であるが眠りが浅い」. 腹証では, 心下の水滞...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2006/09/01, Vol.46(9), pp.836 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例:39歳, 女性. X年12月頃から腹痛と下痢が頻回に生じるようになった. 漢方治療目的でX+1年5月, 当院を受診した. 腹証では, 心下の脾部を中心に中等度から高度の水滞と考えられる抵抗が認められた. 両側の鼠径部に高度の抵抗と圧痛が認められた. 膀胱部に高度の抵抗と圧痛が認められた. 胸部全体に高度な熱感が認められた. 下焦の湿熱とお血, 中焦の水滞, 上焦の熱を目標にして龍胆瀉肝湯(せんじ薬)を投与した. 投与2週後, 「下痢がとまり尿の回数がふえた」. 投与8週後, 「薬を飲み忘れると下痢になる」. 投与12週後, 「お腹の調子は良好であるが眠りが浅い」. 腹証では, 心下の水滞が減少してきた. 両側鼠径部の抵抗と圧痛が軽減してきた. 膀胱部の高度の抵抗と圧痛は残存していた. 胸部の熱感が軽減してきた. 下焦の湿熱とお血, 中焦の水滞, 上焦の熱が残存しているため龍胆瀉肝湯の投与を継続している. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.46.9_836_1 |