28.市中病院における外来IBS集団催眠療法の試み(一般演題,第44回日本心身医学会九州地方会演題抄録(1))

目的:過敏性腸症候群(IBS)に対する催眠療法は近年RCTなどで効果が証明されてきている. しかし, 集団催眠療法に関するエビデンスは知られていない. 今回われわれはIBSに対する集団催眠療法のプロコールを試み, 一定の成果を上げたので報告した. 対象と方法:S病院にIBSにて通院中の患者でRome II診断基準を満たす4名. 参加者らはあらかじめ催眠療法に対する説明を受けた後, Harvard集団催眠感受性尺度にて催眠感受性を, DES(Dissociative Experiences Scale)にて解離性尺度を測定された. IBSの諸症状に関してはM. OsterらのIBS重症度インデッ...

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Veröffentlicht in:心身医学 2006/04/01, Vol.46(4), pp.342-343
Hauptverfasser: 松原, 慎, 土田, 治, 波多, 伴和, 武谷, 慎司, 遠藤, 育子, 久保, 千春
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:過敏性腸症候群(IBS)に対する催眠療法は近年RCTなどで効果が証明されてきている. しかし, 集団催眠療法に関するエビデンスは知られていない. 今回われわれはIBSに対する集団催眠療法のプロコールを試み, 一定の成果を上げたので報告した. 対象と方法:S病院にIBSにて通院中の患者でRome II診断基準を満たす4名. 参加者らはあらかじめ催眠療法に対する説明を受けた後, Harvard集団催眠感受性尺度にて催眠感受性を, DES(Dissociative Experiences Scale)にて解離性尺度を測定された. IBSの諸症状に関してはM. OsterらのIBS重症度インデックスを使用した. 治療プロトコールは外来にて, 1週間に1度, 1回60分のプログラムで自己催眠法を教示した. 自己催眠法はS. Lanktonによる自己催眠法の変法を使用した. 治療回数は8回で, 祝日が1度あったため治療期間は9週間であった. 結果:IBS重症度インデックスの点数は270.0±68.8から9週間後147.5±70.4まで改善した. しかし, IBS重症度インデックスの改善度と催眠感受性の間には強い関連性はみられなかった. 考察:IBS重症度インデックスの改善度と催眠感受性の間には強い関連性はみられなかったことは, 例数が不十分で関連性を証明しにくいことのほかに, ベースラインの催眠感受性に関係なく, 催眠療法がIBSに対して効果的であるのかもしれない. また, 臨床場面でのHarvard集団催眠感受性尺度は患者への負荷も小さくなく, 臨床的な使用方法は今後検討する余地があるようにも思われた. 結論:IBSに対する催眠療法は集団で行っても有効である可能性がある. 催眠感受性との関連や催眠感受性尺度の臨床的施行の問題点は今後の課題と思われた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.46.4_342_3