4. 下腹部痛を訴える難治性慢性疼痛の1例(第59回 日本心身医学会東北地方会演題抄録)
下腹部痛を主訴に受診したが, 長期入院治療にもかかわらず腹痛の改善がなかった難治性慢性疼痛の症例を心理的側面から検討した. 症例:35歳, 女性. 側彎症. 3年前より両下腹部痛, 腰痛あり. 某総合病院にて腎下垂の手術を2度経て, 背部痛, 頭痛と症状移動がみられた. 月経不順後から下腹部痛が続き子宮内膜症の治療を受けたが改善せず, 他科での精査でも異常なく当科紹介となった. 心理検査では身体症状の割に精神症状が少なく, 内面的な葛藤は自覚されていなかった. 外来で薬物調整と心理面接を行ったが改善なく, 依存傾向が強くなり精神神経科に入院となった. 半年にわたる薬物療法などでも改善なく, 電...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2006/03/01, Vol.46(3), pp.254 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 下腹部痛を主訴に受診したが, 長期入院治療にもかかわらず腹痛の改善がなかった難治性慢性疼痛の症例を心理的側面から検討した. 症例:35歳, 女性. 側彎症. 3年前より両下腹部痛, 腰痛あり. 某総合病院にて腎下垂の手術を2度経て, 背部痛, 頭痛と症状移動がみられた. 月経不順後から下腹部痛が続き子宮内膜症の治療を受けたが改善せず, 他科での精査でも異常なく当科紹介となった. 心理検査では身体症状の割に精神症状が少なく, 内面的な葛藤は自覚されていなかった. 外来で薬物調整と心理面接を行ったが改善なく, 依存傾向が強くなり精神神経科に入院となった. 半年にわたる薬物療法などでも改善なく, 電撃療法にて精神症状は安定したが, 疼痛に変化はなかった. 絶食療法後も疼痛は持続したが, 症状に対する受け入れと家庭生活復帰への意識変化があり退院となった. 考察:依存や攻撃性の感情を表出すべきでないという両親の影響から, 自己の感情を無理に陽性感情に置き換えて合理化してきたストレス対処行動が, 夫との心理的葛藤により不適応状態となり痛みとして身体化したと考えられた. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.46.3_254_2 |