21. 心療内科治療中に妊娠した患者への心身医学的アプローチ(第38回 日本心身医学会近畿地方会演題抄録)

心療内科が, キーステーションになって治療し, 無事出産した症例を提示した. 症例:26歳, 女性. 幼少時に父を失くし, 25歳のとき, 統合失調症の母が死亡した. 2年前の流産をきっかけに抑うつ状態になり, 仕事のストレスも重なり, 頭痛, 不眠などの症状が出現し当科受診となった. 経過:臨床心理士による定期的なカウンセリングと, 医師による治療的対話で心身相関の気づきを促したが, 妊娠が確認されてからは, 悪阻症状とともに, 抑うつ, 不安症状が増し, 産婦人科との連携治療が必要になった. 妊娠後期, 症状の増悪を防ぐため精神科医とも相談し, 生活指導, 保健師への情報提供を行い, 患者...

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Veröffentlicht in:心身医学 2006/03/01, Vol.46(3), pp.250
Hauptverfasser: 平野, 智子, 岩上, 芳, 西田, 慎二, 保田, 佳苗, 陣内, 里佳子, 杤原, 京子, 小山, 敦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:心療内科が, キーステーションになって治療し, 無事出産した症例を提示した. 症例:26歳, 女性. 幼少時に父を失くし, 25歳のとき, 統合失調症の母が死亡した. 2年前の流産をきっかけに抑うつ状態になり, 仕事のストレスも重なり, 頭痛, 不眠などの症状が出現し当科受診となった. 経過:臨床心理士による定期的なカウンセリングと, 医師による治療的対話で心身相関の気づきを促したが, 妊娠が確認されてからは, 悪阻症状とともに, 抑うつ, 不安症状が増し, 産婦人科との連携治療が必要になった. 妊娠後期, 症状の増悪を防ぐため精神科医とも相談し, 生活指導, 保健師への情報提供を行い, 患者を保証した. その後, 無事女児を出産した. 考察:心身症関連疾患をもつ妊婦には, (1)患者の同意を得た薬物治療, (2)支持するための継続面接, (3)保証のための環境調整(社会資源の利用), (4)症状に合わせた入院の設定, (5)他科との連携などの心身医学的アプローチが必要と思われた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.46.3_250_1