緩和ケア医療における「否認」の問題 : 3症例を通して

緩和ケアチームの活動において, 患者やその家族にみられる否認の問題は非常に重要である.がん患者やその家族には, 否認がしばしばみられ, 患者と家族, 患者・家族と医療スタッフの間で深刻な葛藤が生じることが少なくない.われわれは, 緩和ケアチームの活動のなかで患者や家族が否認を示した3症例を提示し, 否認をめぐる問題にどのように対応すればよいか考察した.緩和ケアチームは身体的な症状の緩和だけを行うのではなく, 心理的な重圧を少しでも軽くするような対応が必要である.そのために医療者は, 否認という防衛機制が癌患者や家族には存在することがあるのだということ, 否認という防衛機制がどのような仕組みで働...

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Veröffentlicht in:心身医学 2006/02/01, Vol.46(2), pp.153-159
Hauptverfasser: 天保, 英明, 仙道, 由香, 谷, 裕一郎, 山口, 聖子, 井関, 雅子, 新井, 平伊
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緩和ケアチームの活動において, 患者やその家族にみられる否認の問題は非常に重要である.がん患者やその家族には, 否認がしばしばみられ, 患者と家族, 患者・家族と医療スタッフの間で深刻な葛藤が生じることが少なくない.われわれは, 緩和ケアチームの活動のなかで患者や家族が否認を示した3症例を提示し, 否認をめぐる問題にどのように対応すればよいか考察した.緩和ケアチームは身体的な症状の緩和だけを行うのではなく, 心理的な重圧を少しでも軽くするような対応が必要である.そのために医療者は, 否認という防衛機制が癌患者や家族には存在することがあるのだということ, 否認という防衛機制がどのような仕組みで働くかを十分理解したうえでそれぞれ患者や家族のかかえる状況に応じた対応をしなければならないのである.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.46.2_153