『行動制限を用いた認知行動療法』が有効であった, 経口摂取ができず著明なやせをきたした嘔吐恐怖の1例

強い嘔吐恐怖から経口摂取が困難となり, 著明なやせをきたして当科に入院となった13歳女子の1例を経験した.本症例は, 12歳時に嘔吐する友人をみて, 「食べると嘔吐するのではないか」という恐怖をおぼえたことが, 経口摂取が困難となったきっかけであった.肥満恐怖は明らかではなかった.心理検査では不安と抑うつが高い傾向を認めた.仕事が忙しい母親を気遣いながら母子家庭で生育した患者には, 感情表出に乏しい傾向がみられた.本患者では, 嘔吐恐怖からくる食べることに対する不安など, さまざまな不安に対する回避反応として経口摂取量が低下し, 体重減少をきたしていることが問題と思われた.本症例に対し, 回避...

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Veröffentlicht in:心身医学 2005/11/01, Vol.45(11), pp.873-879
Hauptverfasser: 雨宮, 直子, 野崎, 剛弘, 植田, 美津子, 高倉, 修, 河合, 啓介, 瀧井, 正人, 久保, 千春
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:強い嘔吐恐怖から経口摂取が困難となり, 著明なやせをきたして当科に入院となった13歳女子の1例を経験した.本症例は, 12歳時に嘔吐する友人をみて, 「食べると嘔吐するのではないか」という恐怖をおぼえたことが, 経口摂取が困難となったきっかけであった.肥満恐怖は明らかではなかった.心理検査では不安と抑うつが高い傾向を認めた.仕事が忙しい母親を気遣いながら母子家庭で生育した患者には, 感情表出に乏しい傾向がみられた.本患者では, 嘔吐恐怖からくる食べることに対する不安など, さまざまな不安に対する回避反応として経口摂取量が低下し, 体重減少をきたしていることが問題と思われた.本症例に対し, 回避を遮断する「行動制限を用いた認知行動療法」を用い, 有効であったので報告する.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.45.11_873