23. 西洋薬に対する服薬恐怖がありさまざまな不定愁訴を訴えたが漢方治療で軽快した1症例(第37回 日本心身医学会近畿地方会演題抄録)

症例:60歳, 女性. 主訴:動悸, 息切れ, 冷汗. 過去に造影剤によるショックと, 感冒薬の副作用を二度経験していたため, 服薬恐怖をもっていた. 初診時, 不安障害と考え, 抗不安薬を中心に治療を開始したが, 副作用が出ると言い, 中止した. その後, 抗うつ薬, その他の抗不安薬などを処方するも, 患者が副作用であるとする新たな身体症状が次々と出現し, 継続内服は困難であった. そのため, 身体症状は改善せず, 精神状態も不安定という悪循環に至った. その後, けいれんを伴う転換性障害も出現したため, 精神科への転科を考慮しつつも, 東洋医学的に柴胡桂枝乾姜湯の証と考え処方したところ,...

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Veröffentlicht in:心身医学 2005/10/01, Vol.45(10), pp.810
Hauptverfasser: 陣内, 里佳子, 西田, 愼二, 保田, 佳苗, 平野, 智子, 岩上, 芳, 杤原, 京子, 小山, 敦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:60歳, 女性. 主訴:動悸, 息切れ, 冷汗. 過去に造影剤によるショックと, 感冒薬の副作用を二度経験していたため, 服薬恐怖をもっていた. 初診時, 不安障害と考え, 抗不安薬を中心に治療を開始したが, 副作用が出ると言い, 中止した. その後, 抗うつ薬, その他の抗不安薬などを処方するも, 患者が副作用であるとする新たな身体症状が次々と出現し, 継続内服は困難であった. そのため, 身体症状は改善せず, 精神状態も不安定という悪循環に至った. その後, けいれんを伴う転換性障害も出現したため, 精神科への転科を考慮しつつも, 東洋医学的に柴胡桂枝乾姜湯の証と考え処方したところ, 短期間で身体症状が改善し, 精神状態も落ち着いた. 心身医療の現場において漢方薬は有効な治療手段の1つとなると考えられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.45.10_810_3