17. 小児悪性腫瘍例にみられる拒食の取り扱い : 摂食障害との異同とリエゾン診療の視点から(第37回 日本心身医学会近畿地方会演題抄録)

小児悪性腫瘍の入院治療において, 持続する嘔吐や食思不振, 拒食の扱いに周囲が難渋する場合がある. 京都府立医科大学附属病院では, 1998年4月から2004年1月現在まで, 小児科へ入院中の児童期~青年期の固形腫瘍例に対して, 精神科によるリエゾン活動を週1回の病棟訪問形式で行っている. 症例1:初診時11歳, BMI 12.8の女児, 多発骨転移を伴う神経芽細胞腫. 症例2:初診時9歳, BMI 11.3の男児, 小脳虫部原発の髄芽腫. 両症例とも医療者からは拒食症様の状態とみなされ親子分離を促されたが, 家族と医療者の間で葛藤を生じていた. 患児には失われた健康への落胆や, 嗅覚過敏,...

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Veröffentlicht in:心身医学 2005/10/01, Vol.45(10), pp.809
Hauptverfasser: 山田, 美和, 若田部, 佳苗, 谷, 直介, 河瀬, 雅紀, 福居, 顯二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:小児悪性腫瘍の入院治療において, 持続する嘔吐や食思不振, 拒食の扱いに周囲が難渋する場合がある. 京都府立医科大学附属病院では, 1998年4月から2004年1月現在まで, 小児科へ入院中の児童期~青年期の固形腫瘍例に対して, 精神科によるリエゾン活動を週1回の病棟訪問形式で行っている. 症例1:初診時11歳, BMI 12.8の女児, 多発骨転移を伴う神経芽細胞腫. 症例2:初診時9歳, BMI 11.3の男児, 小脳虫部原発の髄芽腫. 両症例とも医療者からは拒食症様の状態とみなされ親子分離を促されたが, 家族と医療者の間で葛藤を生じていた. 患児には失われた健康への落胆や, 嗅覚過敏, 味覚異常などの不快刺激に伴う嘔吐が認められ, 診断的には身体表現性障害と考えられた. 悪性疾患の告知という危機的状況への適応の速さには個別性があると思われ, その途上ではむしろ患児を保護的に扱い感情表現を助けることが, 症状緩和をはかるうえで有益と考えられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.45.10_809_1