2.コラージュ療法の適用と実践第26報 : 小児科領域でのコラージュ療法の1例(第98回日本心身医学会関東地方会演題抄録)
目的:患児にとって家族の疾患への無理解は, 孤立化, 二次的ストレス状態を生ずる. 今回われわれは, 患児と理解者である母親の良好な関係を強化することを目的にコラージュ療法を施行し, 母親の環境調整への意欲を高め, 患児が安心感を得た症例について報告した. 方法:マガジン, ピクチャー, コラージュ法の合同法(持参した雑誌から気に入った写真, 絵, 文字を切り抜き, 台紙に自由に貼付する). 症例1:A. S. 12歳, 女児. 先天性副腎過形成, ほか. ホルモンの影響から男性化がみられ, 家族から非難, 虐めを受ける. コラージュ療法施行後, 母親は家族に対し疾患の説明をし, 理解を得た....
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2005/06/01, Vol.45(6), pp.459 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:患児にとって家族の疾患への無理解は, 孤立化, 二次的ストレス状態を生ずる. 今回われわれは, 患児と理解者である母親の良好な関係を強化することを目的にコラージュ療法を施行し, 母親の環境調整への意欲を高め, 患児が安心感を得た症例について報告した. 方法:マガジン, ピクチャー, コラージュ法の合同法(持参した雑誌から気に入った写真, 絵, 文字を切り抜き, 台紙に自由に貼付する). 症例1:A. S. 12歳, 女児. 先天性副腎過形成, ほか. ホルモンの影響から男性化がみられ, 家族から非難, 虐めを受ける. コラージュ療法施行後, 母親は家族に対し疾患の説明をし, 理解を得た. また, 患児は母親が自分の存在をそのまま受け入れることに安心感を得た. 症例2:M. A. 10歳, 女児. 混合性結合組織病, ほか. 祖母の無理解に母子とも抑圧的であった. コラージュ療法施行後は, 母親が共有できる時間を増やすなどし, 生活に変化がみられた. まとめ, 考察:杉浦(2002)は「言語を使わないで感情を表現することは, クライアントの葛藤や欲求, 不安などを無理なく発散させ, 昇華させる」と述べており, 今回の症例では, コラージュ療法を施行することにより, これらに加え, 母子が一緒に作品を制作することで時間の共有, 一体感, 相互理解など良好な相互関係を活性化し, その結果, 母親は患児を守ろうとする意欲を高め, 環境への働きかけを行い, 患児は満足感, 達成感, 安心感を得ることができたものと考えられた. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.45.6_459_2 |