心身医学が進むべき方向 : 精神医学的視点と課題(<シンポジウム>心身医学が進むべき方向)(2004年/第45回日本心身医学会総会)
心身医学が進むべき方向について,精神医学的視点を踏まえて,心身医学の学問体系,臨床診療上の課題,教育研修上の問題,研究面での展望について考察した.精神医学の学問体系が,DSM-III以来,疾患単位から病態像(臨床)単位へ大変革したことに伴い,心身医学と精神医学の異同はさらに明確にすることが大切である.臨床診療上では,うつの3/4が心療内科や一般内科で診療されるため,うつに対する十分な知識と適切な治療や対応を習熟する必要がある.とりわけ自殺予防への配慮は大切となる.現在の医学教育で心身医学の教育はきわめて不十分であり,当面は少なくとも心療内科標榜に際し,心身医学認定医の資格を義務づける必要がある...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2005/04/01, Vol.45(4), pp.297-306 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 心身医学が進むべき方向について,精神医学的視点を踏まえて,心身医学の学問体系,臨床診療上の課題,教育研修上の問題,研究面での展望について考察した.精神医学の学問体系が,DSM-III以来,疾患単位から病態像(臨床)単位へ大変革したことに伴い,心身医学と精神医学の異同はさらに明確にすることが大切である.臨床診療上では,うつの3/4が心療内科や一般内科で診療されるため,うつに対する十分な知識と適切な治療や対応を習熟する必要がある.とりわけ自殺予防への配慮は大切となる.現在の医学教育で心身医学の教育はきわめて不十分であり,当面は少なくとも心療内科標榜に際し,心身医学認定医の資格を義務づける必要がある.同時に専門医制度の確立が急務である.本質的には全医学部,医科大学に心身医学講座を設置することが緊要の課題である.研究面において,近年のbiological psychiatryの著しい進展は,心身医学的研究の発展に大いに寄与する.Functional MRIやPETを駆使したneuro-imaging器の進歩やゲノムレベルに及ぶ脳研究は,脳のneurogenesisを踏まえて心身相関の解明,器官選択やストレス耐性の解明に役立つ.一方,bio-psycho-socio-ethico-ecologicalな視点は,evidence-based medicineにnarrative-based medicineを加え,さらにecological existential mediclneへと新展開が期待される.心身医学の健康,長寿へのsalutogenesisが人類の真の幸せに貢献する. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.45.4_297 |