20.騒音を契機に発症した大うつ病性障害の1例(第43回日本心身医学会九州地方会演題抄録(1))

症例:51歳, 女性, 主婦. X-8年, 自宅裏に飲食店が建ち, 騒音のため不眠が出現. X-6年睡眠薬を服用開始. 騒音は変わらず, 一人で警察, 役所に働きかけていた. X-3年頃より不安感と動悸が出現. X-1年頃より全身倦怠感が出現し, 不眠も悪化. 同年当科外来紹介受診. 不眠症, 自律神経失調症と診断し, 薬物療法を開始したが, 症状の改善を認めず, X年には抑うつ症状が出現. 同年6月大うつ病性障害と診断し, 加療目的にて当科入院. 入院後, 支持的面接および抗うつ薬の内服にて, 患者の訴えからは症状は改善したかにみえたものの入院1カ月後にその訴えと異なり不眠など症状が依然強い...

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Veröffentlicht in:心身医学 2005/02/01, Vol.45(2), pp.163
Hauptverfasser: 腰塚, 広昌, 古川, 智一, 十川, 博, 久保, 千春
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:51歳, 女性, 主婦. X-8年, 自宅裏に飲食店が建ち, 騒音のため不眠が出現. X-6年睡眠薬を服用開始. 騒音は変わらず, 一人で警察, 役所に働きかけていた. X-3年頃より不安感と動悸が出現. X-1年頃より全身倦怠感が出現し, 不眠も悪化. 同年当科外来紹介受診. 不眠症, 自律神経失調症と診断し, 薬物療法を開始したが, 症状の改善を認めず, X年には抑うつ症状が出現. 同年6月大うつ病性障害と診断し, 加療目的にて当科入院. 入院後, 支持的面接および抗うつ薬の内服にて, 患者の訴えからは症状は改善したかにみえたものの入院1カ月後にその訴えと異なり不眠など症状が依然強いことを治療者に語った. また当初抑うつの直接的な原因と考えられた騒音が消失したにもかかわらず, 睡眠障害, 食欲不振といった症状は残存した. 本例は症状の訴えや感情の表出に乏しかったため, 病状の評価が困難であり, 治療に難渋した. 本例の病態と治療を考察し報告した.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.45.2_163_2