"8.中途退院したが回避を遮断する外来治療枠を設定することで,良好な経過をみた神経性食欲不振症の1例(第43回日本心身医学会九州地方会演題抄録(1))"
21歳, 女性. 16歳時にダイエット開始し, 54kgあった体重が1年後には42kgとなった. 専門学校入学後, 過食嘔吐が出現. 近医受診するも長続きせず, 体重は31kg台まで低下した. 21歳で当科受診し, 入院時体重34kgで加療を開始. 強迫性障害の母と多忙な父から十分な愛情を得られなかったと感じていたが, 入院後頻回に面会し患者を理解しようとする両親の態度からその愛情を実感するようになった. その結果, 家族の関心を得ようとし摂食障害に至ったと語るようになった. しかし行動制限に入り, 面会不可となったことが自らにマイナスになると主張して, 入院30日目頃から退院を強く希望するよ...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2005/02/01, Vol.45(2), pp.160 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 21歳, 女性. 16歳時にダイエット開始し, 54kgあった体重が1年後には42kgとなった. 専門学校入学後, 過食嘔吐が出現. 近医受診するも長続きせず, 体重は31kg台まで低下した. 21歳で当科受診し, 入院時体重34kgで加療を開始. 強迫性障害の母と多忙な父から十分な愛情を得られなかったと感じていたが, 入院後頻回に面会し患者を理解しようとする両親の態度からその愛情を実感するようになった. その結果, 家族の関心を得ようとし摂食障害に至ったと語るようになった. しかし行動制限に入り, 面会不可となったことが自らにマイナスになると主張して, 入院30日目頃から退院を強く希望するようになり, 不穏状態が続いた. さらに離院行動もみられたため, 本人, 家族らとの面接を重ねたうえ, 再入院の条件と外来での目標を設定し, 遵守することを約束して入院70日目に体重41.5kgにて外来治療へ移行. 退院後6カ月経過したが過食嘔吐はなく, 体重も増加して現在50kg台を維持している. 以上より本症例は, 中途退院したものの厳しい再入院の条件を家族のもとで約束することで, 治療の挫折を防ぎ外来での良好な経過をたどっていると思われた. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.45.2_160_1 |