3.摂食障害患者のこころの変化に作用する一言 : プロセスレコードの分析(第27回 日本心身医学会中国・四国地方会演題抄録)

20歳代の女性摂食障害患者4名のプロセスレコードより, 患者のこころの変化に作用した一言を明らかにした. 事例1:父親の「おまえが笑ってるのが一番うれしい」, 事例2:父親の「本当にやる気があるのなら援助してやろう」, 事例3:母親の「うん, うん」と患者の話を聞こうとする態度, 事例4:母親の「もう今までのようなことは言わない」で, その一言は親から発せられた, 患者への愛情, 支持, 受容であった. これらは, 幼小児期にそれぞれ心理的外傷を抱え, そのキーパーソンの一言で, 変化することが観察された. もちろんたった一言で患者のこころが劇的に変化するわけでもないが, 少なくとも患者のここ...

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Veröffentlicht in:心身医学 2005/01/01, Vol.45(1), pp.67
Hauptverfasser: 中澤, 京子, 橋本, 茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:20歳代の女性摂食障害患者4名のプロセスレコードより, 患者のこころの変化に作用した一言を明らかにした. 事例1:父親の「おまえが笑ってるのが一番うれしい」, 事例2:父親の「本当にやる気があるのなら援助してやろう」, 事例3:母親の「うん, うん」と患者の話を聞こうとする態度, 事例4:母親の「もう今までのようなことは言わない」で, その一言は親から発せられた, 患者への愛情, 支持, 受容であった. これらは, 幼小児期にそれぞれ心理的外傷を抱え, そのキーパーソンの一言で, 変化することが観察された. もちろんたった一言で患者のこころが劇的に変化するわけでもないが, 少なくとも患者のこころに父親あるいは母親を受け入れるきっかけとなった. 摂食障害患者には, 患者と患者を取り巻く人々の相互作用を, 特に幼児期の親子関係を詳細に観察し, 患者のこころの変化をもたらす一言を見逃さず, 患者, 家族に肯定的にフィードバックすることが大事である.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.45.1_67_3