8. 日記を用いた関わりにより短期間で治療終結に至った不安障害の1例(第51回日本心身医学会中部地方会演題抄録)

胃部膨満感と左耳の違和音を訴え, 不安障害を呈した43歳の男性が日記を用いた5回の面接で改善したので報告した. 患者は完全主義, 強迫的で自己の身体的健康にこだわる神経質素質をもつ傾向が認められた. そこで, 症状や環境に対する病的な関わり方を指摘し修正するため, 日記によるアプローチを行った. 日記には当初, 症状に一喜一憂し苦悩する姿が表現されていたが, 次第にそのような自分自身や症状をありのままに受容できるようになり軽快に向かった. 日記によって内省力がつき, 周囲に対する思いやりの気持ちも生まれるなど人間的成長がみられ, 日記の有用性が認められた. また, 心の治癒力の強さ, 人との交...

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Veröffentlicht in:心身医学 2004/09/01, Vol.44(9), pp.706
Hauptverfasser: 山田, 和子, 水野, 有紀子, 村上, そのみ, 舌津, 高秋, 山本, 〓子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃部膨満感と左耳の違和音を訴え, 不安障害を呈した43歳の男性が日記を用いた5回の面接で改善したので報告した. 患者は完全主義, 強迫的で自己の身体的健康にこだわる神経質素質をもつ傾向が認められた. そこで, 症状や環境に対する病的な関わり方を指摘し修正するため, 日記によるアプローチを行った. 日記には当初, 症状に一喜一憂し苦悩する姿が表現されていたが, 次第にそのような自分自身や症状をありのままに受容できるようになり軽快に向かった. 日記によって内省力がつき, 周囲に対する思いやりの気持ちも生まれるなど人間的成長がみられ, 日記の有用性が認められた. また, 心の治癒力の強さ, 人との交流を通して気づかされるものが多かったという治療外要因も短期終結につながったと考えられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.44.9_706_4