13. 診断に難渋したクローン病の1例(第96回 日本心身医学会関東地方会演題抄録)

クローン病は診断までに時間がかかるものも多く, 一部はIBSをはじめとした機能性の心身症として治療されている場合があり注意を要する. 症例:16歳, 女子. 2002年1月(高校1年生)ころから腹痛, 下痢, 吐き気が出現し, その結果体重が減少した. 近医受診するも軽快せず, 家庭内でのストレスの存在を本人よりも母親が気にして, 2003年6月当科初診し翌日入院. 入院時の検査ではわずかな炎症マーカーの上昇以外異常所見は認められず, 抗うつ薬にて軽快傾向が認められたことから, 当初IBSを考えた. しかし腹痛が消失しないため, 7月に下部消化管内視鏡を行い, 回腸末端に病変を有するクローン病...

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Veröffentlicht in:心身医学 2004/08/01, Vol.44(8), pp.622
Hauptverfasser: 後藤, 直子, 山口, 利昌, 守口, 善也, 棚橋, 徳成, 苅部, 正巳, 石川, 俊男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:クローン病は診断までに時間がかかるものも多く, 一部はIBSをはじめとした機能性の心身症として治療されている場合があり注意を要する. 症例:16歳, 女子. 2002年1月(高校1年生)ころから腹痛, 下痢, 吐き気が出現し, その結果体重が減少した. 近医受診するも軽快せず, 家庭内でのストレスの存在を本人よりも母親が気にして, 2003年6月当科初診し翌日入院. 入院時の検査ではわずかな炎症マーカーの上昇以外異常所見は認められず, 抗うつ薬にて軽快傾向が認められたことから, 当初IBSを考えた. しかし腹痛が消失しないため, 7月に下部消化管内視鏡を行い, 回腸末端に病変を有するクローン病と診断された. その後栄養療法により症状は落ち着いている. まとめ:クローン病は小腸型が最も多く, また小腸型は臨床所見が大腸型に比べ穏やかであるため見逃しやすい. したがって前述のような症状を認めた場合には, 造影や下部消化管内視鏡による小腸の検索が必要と思われる.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.44.8_622_3