心因性嘔吐を伴った1型糖尿病の1例

症例:33歳, 女性. 19歳時1型糖尿病を発症. 以後A病院に通院. 30歳より嘔吐のため同院へ計7回入院を繰り返した. X年4月, 嘔吐のため同院に入院し精査加療を受けたが改善せず. 病棟中に響き渡るほどの大声での嘔吐が続くため, 6月当科外来紹介受診. 半月後入院. 入院時現症:BMI15.5kg/m2, HbA1c 8.1%経過:入院治療では行動療法的アプローチにより嘔吐は改善し, 経口摂取可能となり体重も増加した. 当初心理療法には抵抗的であったが, プリズム(Pictorial Representation of Illness and Self Measure)を用いることで,...

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Hauptverfasser: 河合宏美, 瀧井正人, 荒木登茂子, 高倉修, 是枝千賀子, 西方宏昭, 河合啓介, 野崎剛弘, 久保千春
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:33歳, 女性. 19歳時1型糖尿病を発症. 以後A病院に通院. 30歳より嘔吐のため同院へ計7回入院を繰り返した. X年4月, 嘔吐のため同院に入院し精査加療を受けたが改善せず. 病棟中に響き渡るほどの大声での嘔吐が続くため, 6月当科外来紹介受診. 半月後入院. 入院時現症:BMI15.5kg/m2, HbA1c 8.1%経過:入院治療では行動療法的アプローチにより嘔吐は改善し, 経口摂取可能となり体重も増加した. 当初心理療法には抵抗的であったが, プリズム(Pictorial Representation of Illness and Self Measure)を用いることで, 両親との葛藤や幼少時の性的嫌がらせといった問題点が明らかとなり, 感情への気づきや表出が促進された. しかし退院予定日直前となり, 大声での嘔吐が再発. 退院への不安から入院延長を意図していると考えられたため, 退院日を設定し「嘔吐しても無意味」な状況を作り上げたところ, 嘔吐は軽快するも, 持続したまま退院. 外来治療では「入院はさせない」枠組みの中で, 家族皆で患者の嘔吐に対応する中で嘔吐は徐々に軽快. まとめ:心因性嘔吐を伴った1型糖尿病患者の入院, 外来治療経過を報告した.
ISSN:0385-0307