対人関係トレーニングを中心とした集団療法により社会参加が可能となったひきこもりの2例

ひきこもりに対する治療は容易なものではないが, 今回集団療法を取り入れることにより, 社会参加が可能となった症例を報告した. 症例:23歳, 男性. 中学2年時, 教室でパニック発作を起こし不登校となった. 大検に合格し, 20歳で大学進学したものの神経性頻尿のため中退した. 23歳の時, 当院を受診. 受診前は, ごく近所のみ外出可能であったが, 広場恐怖もあり人ごみの中などには行けない状態であった. SSRIを服薬しながら患者グループ「居場所の会」へ参加し, 仲間意識をもつことができた. その結果, 過去に発作を起こした場所まで行き, 現実場面でのパニック症状を乗り越えることができたのを契...

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Hauptverfasser: 森田公代, 平川真理子, 益満成美, 吉牟田直, 武井美智子, 平川忠敏, 山中隆夫, 高山巌
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ひきこもりに対する治療は容易なものではないが, 今回集団療法を取り入れることにより, 社会参加が可能となった症例を報告した. 症例:23歳, 男性. 中学2年時, 教室でパニック発作を起こし不登校となった. 大検に合格し, 20歳で大学進学したものの神経性頻尿のため中退した. 23歳の時, 当院を受診. 受診前は, ごく近所のみ外出可能であったが, 広場恐怖もあり人ごみの中などには行けない状態であった. SSRIを服薬しながら患者グループ「居場所の会」へ参加し, 仲間意識をもつことができた. その結果, 過去に発作を起こした場所まで行き, 現実場面でのパニック症状を乗り越えることができたのを契機として急速に行動半径が広がった. 長期の罹病により対人関係の訓練が不十分なため, 集団内でトラブルを繰り返し起こしたが, その度に心理士が介入しソーシャルスキルの改善を図ることによって社会参加が可能となった. 30歳の女性の症例もあわせて報告する.
ISSN:0385-0307