14. 頸部矯正訓練,動作法などを併用して改善を示した妄想性障害から痙性斜頸へ転じた1例(第28回 日本心身医学会北海道地方会演題抄録)

痙性斜頸は, 捻転ジストニアの一部と考えられているが, 種々の病態を含んでいるとされる. 今回われわれは, 妄想性障害を端に発し, 経過中に痙性斜頸を呈した初診時22歳の男子大学生を診る機会があり, 薬物療法に頸部矯正訓練, 動作法などを併用した治療を行ったところ約4ヵ月の経過で改善を示した. また注察妄想様の症状も今のところ影を潜めている. 当初本例の痙性斜頸は, 妄想性障害の時に使用した向精神病薬の副作用と考えたが, 薬物中止や抗パーキンソン剤の使用にても改善が乏しいため, 実体的治療の併用に方針変更を行ったものである. 今後, 病態の変化についての観察が必要であろうし, この斜頸の病因に...

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Veröffentlicht in:心身医学 2004/03/01, Vol.44(3), pp.236
Hauptverfasser: 井出, 雅弘, 高橋, 成嘉, 太田, 雅彦, 奥瀬, 哲, 大林, 正博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:痙性斜頸は, 捻転ジストニアの一部と考えられているが, 種々の病態を含んでいるとされる. 今回われわれは, 妄想性障害を端に発し, 経過中に痙性斜頸を呈した初診時22歳の男子大学生を診る機会があり, 薬物療法に頸部矯正訓練, 動作法などを併用した治療を行ったところ約4ヵ月の経過で改善を示した. また注察妄想様の症状も今のところ影を潜めている. 当初本例の痙性斜頸は, 妄想性障害の時に使用した向精神病薬の副作用と考えたが, 薬物中止や抗パーキンソン剤の使用にても改善が乏しいため, 実体的治療の併用に方針変更を行ったものである. 今後, 病態の変化についての観察が必要であろうし, この斜頸の病因について議論の余地がある.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.44.3_236_3