13. 心療内科に想う(第28回 日本心身医学会北海道地方会演題抄録)

昨今, 「心療内科」という看板が, 町のいろいろなところで目にするようになってきている. むしろ時代のニーズでもあり, 心療内科を標榜することで患者さんを呼び込めるとさえいわれるのかもしれない. 平成8年, 心療内科の標榜が正式に認められ, 産声を上げた. 現在, 7歳になろうとしている. しかし, 「心療内科」のあり方自体が混沌としてきて, 前思春期の葛藤の時代に入ってきているようである. 今こそ「心療内科」という標榜を改めて見直し, 本来の心身医学の原点に立ち戻り, その裾野を広げていくことが急務ともいえる. 医療関係者ですら, 「内科」と「神経精神科」の間を診る科, くどくど身体愁訴を訴...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2004/03/01, Vol.44(3), pp.236
Hauptverfasser: 太田, 雅彦, 本江, 正臣, 伊藤, 公晴, 高橋, 成嘉, 井出, 雅弘, 奥瀬, 哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:昨今, 「心療内科」という看板が, 町のいろいろなところで目にするようになってきている. むしろ時代のニーズでもあり, 心療内科を標榜することで患者さんを呼び込めるとさえいわれるのかもしれない. 平成8年, 心療内科の標榜が正式に認められ, 産声を上げた. 現在, 7歳になろうとしている. しかし, 「心療内科」のあり方自体が混沌としてきて, 前思春期の葛藤の時代に入ってきているようである. 今こそ「心療内科」という標榜を改めて見直し, 本来の心身医学の原点に立ち戻り, その裾野を広げていくことが急務ともいえる. 医療関係者ですら, 「内科」と「神経精神科」の間を診る科, くどくど身体愁訴を訴える患者さんは面倒なので, とりあえず心療内科で診てもらおうという程度にしか理解されておらず, ましてや一般の方々にとっては, 「話を聞いてくれる科」, 「心を診てくれる科」, 「精神科に対する偏見から心療内科という科で診てもらったほうが体裁がいい」等々, 多種多様な理解のされ方のようである. それらは今, 心療内科が曖昧な位置づけのまま十分理解がされていないことにあると考える. そこで4例の症例を提示しながら, 改めて心療内科のあり方について, 若干の私見を加えて考察してみた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.44.3_236_2