外来治療のみで発症以前の体重まで回復できた神経性食欲不振症患者の臨床的心理的特徴

神経性食欲不振症(AN)はほとんどの例で受診時すでに著しい体重減少がみられるため,身体的管理からみても入院治療が原則となる.しかし,外来治療で体重を増やしていくことが可能な例もみられる.今回,外来治療のみにて体重を発症以前の体重まで回復し,かつ月経が始まり,十分に社会適応しているAN患者(外来群:12名)の特徴について検討した.対照群は最近2年間に当科で入院治療を行った患者39名(入院群)とした.外来群は全例が制限型であった.外来群では初診時年齢が低く,罹病期間は短い傾向こあった.外来群は入院群に比して,有意に抑うつ尺度が低く,特性不安がより低い傾向にあり,またEating Disorder...

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Veröffentlicht in:心身医学 2004/02/01, Vol.44(2), pp.121-131
Hauptverfasser: 野崎, 剛弘, 瀧井, 正人, 占部, 宏美, 高倉, 修, 是枝, 千賀子, 西方, 宏昭, 河合, 啓介, 久保, 千春
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:神経性食欲不振症(AN)はほとんどの例で受診時すでに著しい体重減少がみられるため,身体的管理からみても入院治療が原則となる.しかし,外来治療で体重を増やしていくことが可能な例もみられる.今回,外来治療のみにて体重を発症以前の体重まで回復し,かつ月経が始まり,十分に社会適応しているAN患者(外来群:12名)の特徴について検討した.対照群は最近2年間に当科で入院治療を行った患者39名(入院群)とした.外来群は全例が制限型であった.外来群では初診時年齢が低く,罹病期間は短い傾向こあった.外来群は入院群に比して,有意に抑うつ尺度が低く,特性不安がより低い傾向にあり,またEating Disorder Inventoryで無力懸か有意に低く,やせ願望,完全主義,対人不信および総得点がより低得点てあった.これらの結果から,外来群では,一般の精神病理とともに,摂食障害の精神病理の程度が軽いことが示唆された.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.44.2_121