当科で入院治療を行った男性神経性食欲不振症患者の臨床的特徴と転帰について
本研究の目的は,比較的まれである男性神経性食欲不振症(以下, AN)患者の転帰を含めた臨床的特徴を検討することである.九州大学心療内科で入院治療を行った男性AN患者を対象群,女性AN患者をコントロール群とし,臨床像,心理テスト,転帰の比較を行った.病型,発症年齢,入院時BMI,他の精神疾患の合併率は女性例と差を認めなかったが,男性例は排出行動としての下剤乱用を認めなかった 心理テストでは,男性例の適応性の低さと心気症傾向を認めた.転帰を調べると,男性例は身体所見や食行動の予後は良好たが,社会適応は不良であった その一因として,転帰調査時,統合失調症や人格障害のため通院中である患者が,半数以上を...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2004/01/01, Vol.44(1), pp.25-32 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究の目的は,比較的まれである男性神経性食欲不振症(以下, AN)患者の転帰を含めた臨床的特徴を検討することである.九州大学心療内科で入院治療を行った男性AN患者を対象群,女性AN患者をコントロール群とし,臨床像,心理テスト,転帰の比較を行った.病型,発症年齢,入院時BMI,他の精神疾患の合併率は女性例と差を認めなかったが,男性例は排出行動としての下剤乱用を認めなかった 心理テストでは,男性例の適応性の低さと心気症傾向を認めた.転帰を調べると,男性例は身体所見や食行動の予後は良好たが,社会適応は不良であった その一因として,転帰調査時,統合失調症や人格障害のため通院中である患者が,半数以上を占めていることが考えられたAN男性例の診療をする場合,それらの精神疾患の合併の可能性を十分に念頭に置く必要性があると考えられた. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.44.1_25 |