17.強迫的な習癖を伴う音声チックが比較的短期間で軽快した1症例

症例:7歳, 男児. 元来几帳面でまじめなおとなしい性格. X年9月より, 意味もなく舌を出す, 食べる前に必ず食べ物の匂いを嗅ぐ, あたりを舐めるなどの複雑性チックを思わせる症状とカエルのような声を出す音声チック症状が出現. 10月に近医受診, ハロペリドールを投与されるが効果なく, 当院心療内科を受診. 心療内科医による診察とparoxetineの投薬に併せて心理治療を行った. 心理治療として母親面接を行い, 病状, 病態の医学的説明, 見通しを述べることで母親の不安を軽減し, 学校, 家庭での対応を具体的にアドバイスした. 患児に対しては箱庭を用いて心理的緊張の緩和を図り, 心理的成長の...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2003, Vol.43 (11), p.789-789
Hauptverfasser: 大倉朱美子, 高橋進, 東谷明子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:7歳, 男児. 元来几帳面でまじめなおとなしい性格. X年9月より, 意味もなく舌を出す, 食べる前に必ず食べ物の匂いを嗅ぐ, あたりを舐めるなどの複雑性チックを思わせる症状とカエルのような声を出す音声チック症状が出現. 10月に近医受診, ハロペリドールを投与されるが効果なく, 当院心療内科を受診. 心療内科医による診察とparoxetineの投薬に併せて心理治療を行った. 心理治療として母親面接を行い, 病状, 病態の医学的説明, 見通しを述べることで母親の不安を軽減し, 学校, 家庭での対応を具体的にアドバイスした. 患児に対しては箱庭を用いて心理的緊張の緩和を図り, 心理的成長の過程を見守る姿勢を保った. 作品には戦いや富士山の噴火, 砂嵐, 大雨などの形で抑圧されていた怒りの表出がみられ, 症状の落ち着きとともに, 新しい街づくりが始まり『死と再生』のテーマがよみとれた. 治療開始1ヵ月目より症状は徐々に軽快した.
ISSN:0385-0307