9.心療内科におけるカウンセリング機能が奏効した事例

社会不適応を引き起こした心身症患者に対して, 薬物療法, 環境調整と並行しカウンセリングによる心理的サポートを行うことで, 社会復帰までの改善がみられたので報告した. 症例:32歳, 男性, 会社員. X-1年春ごろから仕事の負担が増し, 不眠などの抑うつ状態が悪化. 内服治療継続中に転勤となり, 再び抑うつ状態が悪化し, X年9月, 当院を受診, 薬物療法が開始された. 結果:比較的短期間のうちに日常生活上の支障は改善された. しかし, 患者の内面では, 自己否定感や予期不安, 自信喪失など心理的ダメージが大きく, 社会適応の妨げとなった. これらの改善を目的とし, カウンセリングを導入した...

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Veröffentlicht in:心身医学 2003, Vol.43 (11), p.787-787
Hauptverfasser: 岩上芳, 長野京子, 平野智子, 陣内里佳子, 山藤緑, 仁木稔, 保田佳苗, 小山敦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:社会不適応を引き起こした心身症患者に対して, 薬物療法, 環境調整と並行しカウンセリングによる心理的サポートを行うことで, 社会復帰までの改善がみられたので報告した. 症例:32歳, 男性, 会社員. X-1年春ごろから仕事の負担が増し, 不眠などの抑うつ状態が悪化. 内服治療継続中に転勤となり, 再び抑うつ状態が悪化し, X年9月, 当院を受診, 薬物療法が開始された. 結果:比較的短期間のうちに日常生活上の支障は改善された. しかし, 患者の内面では, 自己否定感や予期不安, 自信喪失など心理的ダメージが大きく, 社会適応の妨げとなった. これらの改善を目的とし, カウンセリングを導入したところ, 患者は徐々に, 意識的に思考や行動をコントロールできるようになり社会復帰した. 職場の理解や援助も得られ, 患者は現在のところ社会生活を継続できている. 社会不適応の患者に対して, 医療者, 心理職, 社会(環境)が連携し, 有効に支援できた症例として報告した.
ISSN:0385-0307