14.糖尿病慢性合併症の進展によりうつ状態を呈した1例-失明,足切断,透析導入との関連

症例:31歳, 女性, 主婦. 主訴:不安感, 頭痛, 食欲不振. 現病歴:15歳時に糖尿病発症. 29歳時にインスリン療法を開始し, 左足壊疽のため切断術を施行. 平成11年5月にT大学病院眼科で網膜剥離と白内障に対する手術を受けたが失明. 当院に転院し, 左足壊死部の外科的創面切除術と断端形成術を施行後, 患者の希望により当科に紹介された. 経過:失明による今後の生活, 特に夫婦関係について苦悩して抑うつ状態を呈していた(SDS64点). 支持的精神療法とSSRIを中心とした薬物療法を行い抑うつは軽減した. 平成12年1月に離婚したが, 抑うつは安定していた(同年5月:SDS46点). 腎...

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Veröffentlicht in:心身医学 2003, Vol.43 (6), p.394-394
Hauptverfasser: 岩橋成寿, 國井啓子, 志賀伯弘, 梅村周香
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:31歳, 女性, 主婦. 主訴:不安感, 頭痛, 食欲不振. 現病歴:15歳時に糖尿病発症. 29歳時にインスリン療法を開始し, 左足壊疽のため切断術を施行. 平成11年5月にT大学病院眼科で網膜剥離と白内障に対する手術を受けたが失明. 当院に転院し, 左足壊死部の外科的創面切除術と断端形成術を施行後, 患者の希望により当科に紹介された. 経過:失明による今後の生活, 特に夫婦関係について苦悩して抑うつ状態を呈していた(SDS64点). 支持的精神療法とSSRIを中心とした薬物療法を行い抑うつは軽減した. 平成12年1月に離婚したが, 抑うつは安定していた(同年5月:SDS46点). 腎機能障害が進行し, 平成13年8月24日に血液透析に導入された. 導入時に抑うつが悪化したため(SDS67点), 週1回の心理療法を再開して薬物を増量した. 現在は2週ごとに通院中である. 結語:本例の経過において, 失明と透析導入という, 視力と腎機能の喪失体験が抑うつ状態に関与したと考えられた.
ISSN:0385-0307