下痢の持続によりhypovolemic shockをきたしたAnorexia nervosaの1例

症例:20歳, 女性, 大学生. 主訴:下痢, 体重減少. 現病歴:プロのサッカー選手を目指していたが, 相次ぐ故障のため平成11年3月に断念. その後食事量が減少し約1年間で体重が16kgほど減少し, 平成12年4月に短大入学. 6月初旬より下痢が出現し持続するため近医を受診, やせを指摘され当科に紹介され入院. 現症および検査成績:身長158cm, 体重29. 1kg(-46. 2%), 血液検査では軽度の脱水と肝障害を認めたのみであった. 意識は清明, 独歩は可能であった. 入院後経過:下痢は持続. 摂食障害による腸管蠕動異常と考え, 入院4日目より経鼻栄養と点滴を開始した. しかし下痢...

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Veröffentlicht in:心身医学 2003/05/01, Vol.43(5), pp.310
Hauptverfasser: 山田, 祐, 河合, 啓介, 玉川, 恵一, 西方, 宏昭, 野崎, 剛弘, 瀧井, 正人, 久保, 千春
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:20歳, 女性, 大学生. 主訴:下痢, 体重減少. 現病歴:プロのサッカー選手を目指していたが, 相次ぐ故障のため平成11年3月に断念. その後食事量が減少し約1年間で体重が16kgほど減少し, 平成12年4月に短大入学. 6月初旬より下痢が出現し持続するため近医を受診, やせを指摘され当科に紹介され入院. 現症および検査成績:身長158cm, 体重29. 1kg(-46. 2%), 血液検査では軽度の脱水と肝障害を認めたのみであった. 意識は清明, 独歩は可能であった. 入院後経過:下痢は持続. 摂食障害による腸管蠕動異常と考え, 入院4日目より経鼻栄養と点滴を開始した. しかし下痢は改善せず, さらに入院11日目中心静脈栄養に切り替えたが, 入院15日目に血圧低下, 頻脈, 意識レベルも低下し, hypovolemic shockに至った. その後感染症も併発したが代用血漿製剤, 昇圧剤等を投与し救命しえた. 肥満恐怖は表面化していない. まとめ:腸管蠕動異常が原因と考えられる下痢がショックの誘因となったanorexia nervosaを経験した. 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.43.5_310_1