シックハウス症候群(化学物質過敏症)における心理的アプローチの必要性について

シックハウス症候群は, 住宅由来の大量の化学物質に急性暴露あるいは長期にわたる暴露により, きわめて低濃度の汚染物質ばかりでなく, 多くの汚染物質にも過敏になる一種の症候群であり, 不定愁訴が主で原因の特定が難しい場合に用いられる. その診断, 対策については現段階ではまだ確立されておらず, 患者は病院をwanderingして, 心身ともに疲弊している状況がある. 当院ではアレルギー科を標傍しており, そのような患者が受診する機会が増えている. しかし, 現在検査できるホルマリンなどの揮発性有機化合物についての過敏性は認められず, 対症療法を行っているのが現状である. 空気清浄機などで環境中の...

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Veröffentlicht in:心身医学 2003/05/01, Vol.43(5), pp.307
Hauptverfasser: 福留, 克行, 岸川, 禮子, 安田, 克行, 藤瀬, 茂, 横田, 欣児, 岩永, 知秋, 庄司, 俊輔, 西間, 三馨
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:シックハウス症候群は, 住宅由来の大量の化学物質に急性暴露あるいは長期にわたる暴露により, きわめて低濃度の汚染物質ばかりでなく, 多くの汚染物質にも過敏になる一種の症候群であり, 不定愁訴が主で原因の特定が難しい場合に用いられる. その診断, 対策については現段階ではまだ確立されておらず, 患者は病院をwanderingして, 心身ともに疲弊している状況がある. 当院ではアレルギー科を標傍しており, そのような患者が受診する機会が増えている. しかし, 現在検査できるホルマリンなどの揮発性有機化合物についての過敏性は認められず, 対症療法を行っているのが現状である. 空気清浄機などで環境中の汚染物質を減らすことで症状の軽減を図ることが対策の基本であるが, それだけでは患者を十分に満足させる環境基準を作ることは困難である. 早期にその診断基準や対策法が確立されることが必要である. 現段階では病院を受診しても満足な対応をしてもらえないというフラストレーションが症状をさらに増悪させている印象を受けることが多く, 心理的アプローチの可能性の検討も含め, 当院での数例を報告する.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.43.5_307_1