塩酸クロミプラミンが奏効した睡眠相後退症候群の1例

症例:30歳, 女性. 主訴:入眠困難, 全身倦怠感. 現病歴:平成3年よりソフトウェア開発に従事. フレックスタイムの勤務体制のため, 深夜にわたり作業をするようになった. 帰宅後に入眠困難を自覚し, 就寝前の飲酒や食事が恒常化, 量も増加した. 入眠時間は明け方ごろまで次第に後退するようになり, 出社も困難となった. 平成12年当院受診. 治療経過:トリアゾラムや塩酸ミアンセリンを処方するも改善せず, 某大学病院睡眠外来紹介. 無投薬の状態で睡眠相の後退が確認されたが, メラトニンの血中レベルは正常であった. 7月ごろより症状増悪, 抑うつ感が出現し過食も認められた. 同症状に対し塩酸クロ...

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Veröffentlicht in:心身医学 2003/05/01, Vol.43(5), pp.300
Hauptverfasser: 平山, 健司, 小山, 直己, 須藤, 信行, 十川, 博, 久木元, 宏哉, 久保, 千春
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:30歳, 女性. 主訴:入眠困難, 全身倦怠感. 現病歴:平成3年よりソフトウェア開発に従事. フレックスタイムの勤務体制のため, 深夜にわたり作業をするようになった. 帰宅後に入眠困難を自覚し, 就寝前の飲酒や食事が恒常化, 量も増加した. 入眠時間は明け方ごろまで次第に後退するようになり, 出社も困難となった. 平成12年当院受診. 治療経過:トリアゾラムや塩酸ミアンセリンを処方するも改善せず, 某大学病院睡眠外来紹介. 無投薬の状態で睡眠相の後退が確認されたが, メラトニンの血中レベルは正常であった. 7月ごろより症状増悪, 抑うつ感が出現し過食も認められた. 同症状に対し塩酸クロミプラミンを処方したところ睡眠障害が改善, スルピリドの追加で抑うつも改善し9月より出社が可能となった. まとめ:睡眠相の後退によっても抑うつが出現することが知られているが, 本症例の治療経過は両者の関連を考えるうえで重要である.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.43.5_300_3